そもそも死にたくて死ぬ人はいません。「死にたい」という言葉は、「生きたい」という悲鳴です。死にたいと思うほど辛いことがあっても、人は生きたいと思っている。少なくとも私はそう感じてきたし、そう信じてきました。
「病と共に生きる」には、当事者しか知り得ない苦悩と葛藤があまねく存在します。その反面、私たちが忘れがちな「生きることの喜び」が存在することを彼らは教えてくれます。
ALSという病は「自分だけでできること」が奪われていく病です。人は誰もが、「自分で決めたい」のです。そして、「自分でやりたい」のです。だからこそ、さまざまな分野の研究者や技術者たちが、「自分で決めて、自分でできる」ツールや、機会を提供してきました。瞬きするだけでコミュニケーションがとれるタブレットや、視線のみで即座にコミュニケーションが取れるツールなども開発されてきました。
「死にたい」と涙する日があっても、ちょっとだけ笑顔になってほしい。「生きてる意味」を失う日があっても、「生きてていいんだ」と思えるような社会を作っていく。そんな気持ちを一人でも多くの人が持つことが大切なんじゃないでしょうか。みなさんの意見もお聞かせください。
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