「死にたい人々」の本当の願いは何か? ALS嘱託殺人と安楽死議論への違和感

 

そもそも死にたくて死ぬ人はいません。「死にたい」という言葉は、「生きたい」という悲鳴です。死にたいと思うほど辛いことがあっても、人は生きたいと思っている。少なくとも私はそう感じてきたし、そう信じてきました。

「病と共に生きる」には、当事者しか知り得ない苦悩と葛藤があまねく存在します。その反面、私たちが忘れがちな「生きることの喜び」が存在することを彼らは教えてくれます。

ALSという病は「自分だけでできること」が奪われていく病です。人は誰もが、「自分で決めたい」のです。そして、「自分でやりたい」のです。だからこそ、さまざまな分野の研究者や技術者たちが、「自分で決めて、自分でできる」ツールや、機会を提供してきました。瞬きするだけでコミュニケーションがとれるタブレットや、視線のみで即座にコミュニケーションが取れるツールなども開発されてきました。

「死にたい」と涙する日があっても、ちょっとだけ笑顔になってほしい。「生きてる意味」を失う日があっても、「生きてていいんだ」と思えるような社会を作っていく。そんな気持ちを一人でも多くの人が持つことが大切なんじゃないでしょうか。みなさんの意見もお聞かせください。

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米国育ち、ANA国際線CA、「ニュースステーション」初代気象予報士、その後一念発起し、東大大学院に進学し博士号を取得(健康社会学者 Ph.D)という異色のキャリアを重ねたから書ける“とっておきの情報”をアナタだけにお教えします。
「自信はあるが、外からはどう見られているのか?」「自分の価値を上げたい」「心も体もコントロールしたい」「自己分析したい」「ニューストッピクスに反応できるスキルが欲しい」「とにかくモテたい」という方の参考になればと考えています。

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