元ミス同志社アナリストが解説。日本株に投資するバフェットの真の狙いとは?

 

なぜ、日本の商社株は今まで放置されていたのか

これまで商社株が評価されてこなかった大きな理由の1つが、総合商社は「コングロマリット・ディスカウント」として投資判断するのが難しいといった点です。

「コングロマリット・ディスカウント」とは、例えば「ラーメンからミサイルまで」といわれるように、商社はとても幅広い商品を扱うため、全ての事業を精査することが難しく、「何をやっているのか、よく分からん」ということです。

しかし、著名投資家のウォーレン・バフェット氏率いる米バークシャーハザウェイは、傘下の事業会社にエネルギー、金融、金属加工など幅広い事業を抱えるコングロマリットの側面を持っている企業でありながら、株式市場からは高い評価を得てきました。

そんなコングロマリット企業であるバークシャーにとっては、日本の商社株の状態をある程度把握でき、今後企業価値を向上させる自信がある、ということでしょう。

コングロマリット企業として評価されにくかった日本の商社株が、この先どのくらい価値を高め、企業価値が評価されていくのかとても楽しみです。

商社株のどこが魅力的?

続いて、アフターコロナの世界を考えてみましょう。商社のメリットはどこにあるのでしょうか。

今、各国の政府や中央銀行がコロナウイルスの危機から世界を守るために、金融緩和を行っています。景気刺激策としての給付金や、コロナのダメージが大きい航空会社や飲食業界などの企業の救済を行うために、金融市場へ多額の資金を投入しているのです。

この多額の資金供給が、後々インフレを招くのではないかとの懸念があります。さらに、FRBのパウエル議長がインフレ率について、年間目標である2%を上回ることを容認すると述べていることからも、インフレリスクについての議論が大きくなってきています。

しかし、民間エコノミストたちの見解では、アフターコロナの世界は、インフレではなくむしろデフレだという意見がほとんどです。

消費者物価指数(CPI)の上昇は、思っている程簡単には上昇しない可能性が高く、過去のデータを見ても、大きな危機の後は日本の卸売物価指数にあたる、生産者物価指数(PPI)が上昇しやすくなります。

つまり、景気が回復した際に、まず『BtoBの物価が上がりやすい』=『商社が有利な状況』が生まれやすいと考えられるでしょう。

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