巨大台風が襲う日本には「ハリケーン・ハンター」で救える命がある

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日本列島の南西から北上を続け、10日夜から11日にかけて関東地方に進路を進めている台風14号。今後、台風の被害を最小限に食い止めるためには、どのような対策が必要なのでしょうか。メルマガ『NEWSを疑え!』の著者で軍事アナリストの小川和久さんは、自身のメルマガの中で、「ハリケーン」の猛威にさらされてきたアメリカの先進的な取り組みについて「ハリケーン・ハンター」と呼ばれる航空機を中心に詳しく紹介。日本の台風対策にも「ハリケーン・ハンター」同様の取り組みが必要だと提言しています。

小川和久さん主宰のメルマガ『NEWSを疑え!』の詳細はコチラから

 

日本にも不可欠な「ハリケーン・ハンター」

:気象庁は2020年9月上旬、台風10号が「これまでに経験したことがない」「戦後最大級」の勢力のまま沖縄や九州地方に接近し、きわめて重大な災害が発生する恐れがあると警告。NHKはじめ報道各社は「最大級の警戒を!」と連呼し、西日本を中心に緊張が走りました。幸い予報ははずれ、大きな被害はありませんでしたが、今後同じような台風の接近や上陸が増えそうです。今回は台風をテーマにお願いします。

小川:「気象庁は9月4日午前9時の時点で、台風10号の中心気圧が6日の同時刻に915hPa(ヘクトパスカル)、中心付近の最大風速55m/最大瞬間風速80mになると予報しました。5日20時から記者会見を開き、12時間後には『特別警報』(同庁によれば『予想される現象が特に異常であるため、重大な災害の起こるおそれが著しく大きい旨を警告する新しい防災情報』)を出すことになる見込みとしました。これはNHKが全国中継しています。西日本の各自治体は、合計約180万人に『避難指示』(避難してください)、670万人に『避難勧告』(避難を勧めます)を出したのです」

「避難勧告」廃止、「指示」に一本化…レベル4の並存解消へ (読売新聞 2020年7月26日)

「実際には、台風の中心気圧は7日3時すぎに950hPa前後まで弱まり、特別警報も出ませんでした。心配された高潮被害も河川氾濫もほとんどなし。各地で停電が発生したことと、7日朝に宮崎県椎葉村で山の斜面が崩れ4人が行方不明になったことを除けば、ほかの地域で大きな被害はなかったのです。これは、台風が通過する東シナ海の海水温が気象庁の推定よりも低く、勢力が急速に衰えたことによるようです」

ニュース特設 台風10号(NHK NEWS WEB)

「いずれにせよ、地球温暖化によって、かつて異常気象と呼ばれた現象がふつうのことになりつつあり、巨大台風は今後ますます増えるでしょう。台風の精密観測態勢は、人命を守り対策を強化するうえで、より重要になります。今回は、ハリケーンの猛威にさらされてきたアメリカの取り組みを、『ハリケーン・ハンター』と呼ばれる航空機を中心に眺めてみましょう」

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