学研の本気が日本を変えた。「科学と学習」休刊後のV字回復 意外な2本柱

 

子供が英語ペラペラに?~話題の「東京英語村」

東京・お台場に、学研が東京都などと組んで、「東京英語村」という英語を学べる施設を作った。

ただの英語教室ではない。言うなれば「英語版キッザニア」。「飛行機の中」「ホテル」など、9つのシーンで実践的な英語体験ができる。リアルなシチュエーションが英会話の向上に役立つという。

子供がターゲットだが大人も利用している。明確な目標を持って来る人もいる。こちらの女性は、訪日外国人のガイドをしてみたいという女性は「クリニック」へ。外国人の症状を説明していた。「ホテル」で会話をしていた塾の英語教師の女性は「子供たちを連れてきたいので、まずは自分が。実際に使える英語をいろいろな場面で挑戦できるので、すごくよかった」と言う。

この施設を宮原は、海外にも展開したいという。

「第二外国語として英語を学んでいるミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシアにこうゆう施設を作りながら、アジア、世界に進出していきたい」

~村上龍の編集後記~

学研は業界の異端児だった。日本の出版社は、文芸・文学、思想、辞書などを軸として近代化に貢献してきた。だが、成熟社会で、役割が曖昧になりつつある。学研は、戦後、取次や書店から無視される中、創業した。すでに近代化は最優先ではなく、出版はビジネスとなった。

経営が崩れそうになり、トップに就いた宮原さんは、医療・福祉など他業種に舵をきり、同時に創業の精神の復権、原点回帰を目指した。防衛大卒、18年間非正規社員だった宮原さんも異色の経営者だ。異端児は、常に危機感を持ち、サバイバルへの道を探る。

<出演者略歴>

宮原博昭(みやはら・ひろあき)1959年、広島県生まれ。1982年、防衛大学校卒業。2003年、学研教室教育事業部長。2010年、代表取締役社長就任。

(2020年3月19日にテレビ東京系列で放送した「カンブリア宮殿」を基に構成)

 

テレビ東京「カンブリア宮殿」

テレビ東京「カンブリア宮殿」

この著者の記事一覧はこちらから

テレビ東京系列で毎週木曜 夜10時から放送。ニュースが伝えない日本経済を、村上龍・小池栄子が“平成カンブリア紀の経済人”を迎えてお伝えする、大人のためのトーク・ライブ・ショーです。まぐまぐの新サービス「mine」では、毎週の放送内容をコラム化した「読んで分かる『カンブリア宮殿』~ビジネスのヒントがここにある~」をお届けします。

print
いま読まれてます

  • 学研の本気が日本を変えた。「科学と学習」休刊後のV字回復 意外な2本柱
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け