コツコツ貯めた預金や年金が不良債権に?日本総貧困化の悪夢を断ち切れ

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新型コロナの感染拡大が止まらない中、経済面でも軍事面でも中国の存在感が増してきています。それに比べて、日本の景気は悪化の一途を辿り、デフレ脱却の目処も見えないのが現状です。メルマガ『j-fashion journal』の著者で、ファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんは、この状況を生み出した原因を米クリントン大統領時代の経済政策にまで遡って検証し、日本人が働いて貯めた年金や預金が今後「不良債権」に化けてしまう可能性を指摘。日本の貧困化を産むメカニズムに早く気づくべきだと警鐘を鳴らしています。

すっかり出来上がってしまった日本貧困化のメカニズム

米国民主党政権による中国ビジネスの拡大

1998年、当時のクリントン米大統領が訪中した際、同盟国であった日本に立ち寄らずに帰国した。当時はこれをマスコミは「ジャパンパッシング」と表現した。ジャパンバッシング(日本叩き)の次は、ジャパンパッシング(日本素通り)というわけだ。

なぜ、クリントン大統領は日本に立ち寄らなかったのだろう。それは、ウォール街による中国投資ビジネスが興味の中心であり、そこから自身も巨大な利益を得ることができるからだ。

当時の日本はバブル崩壊の影響で不況に喘いでいた。バブル経済の時には、アメリカ企業、アメリカの不動産を買い漁っていたが、それが米国政府の反感を買ったことは間違いない。現在の米中対立を見ていると、かつての日本を見るようだ。

しかし、日本の好景気は計画的、戦略的に潰された。1987年のリゾート法で無駄な投資を膨らませ、1990年の総量規制で一気にバブルを崩壊させた。バブル崩壊時にババをつかんだのは個人投資家であり、外国人投資家は日本を売り抜けた。この結果、日本は膨大な資産を一気に失った。

クリントン大統領の態度はあからさまだった。金を生まない日本には興味がない。これから金を生む中国こそ、重要なパートナーであるという認識だった。

そして、米国民主党政権は中国のWTO加盟の後押しをし、中国企業の米国での上場の便宜を図った。そして、ウォール街は中国投資に力を入れた。

日本政府も日本商社と共に中国投資を猛烈に推進した。

日本の衰退と共に、為替は円安に転じ、輸出産業は好景気となったが、消費者にとってエネルギー価格が上がり、デフレスパイラルで日本市場は収縮し、収入も下がっていった。

豊かになった中国人観光客は、貧しくなった日本に旅行に来て、きれいな空気と物価の安さ、最高のもてなしを楽しんだ。

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