竹中平蔵氏が抱える心の闇。日本が日本であることへの不信と絶望

 

その竹中氏は、ロイター通信社のインタビューに応じて、「新型コロナウイルスの影響で経営が悪化する重要インフラ企業を支援するため、かつての産業再生機構のような救済組織を設置するのも一案」とか、「航空業界は世界的に再編が進んでおり、日本も長距離国際線は1社で十分」などと発言しています。

コロナ禍を短期的なものとは思わず、中長期で大きく影響が残るという前提なのかもしれませんが、これもまた非常に弱気で、弱気すぎて全体を失うことになりそうな、極端な言説です。15年前と同じように「成長を放棄してでも、衰退を受け入れてでも、整理すべきはサッサと整理する」という異様な考え方と思います。今でもそうした発想を他の人に先駆けて言い放つ、そこには使命感というよりもある種の「闇」を感じます。

仮に推測するのであれば、日本が日本であることへの不信と絶望、そんなレベルの「闇」のような気配もあります。こうなると、この人への評価は、政治経済の事実や理論ではなく、人間論または文学によるアプローチで迫るしかないのかかもしれません。日本経済を信じない中で、その衰退をむしろ後押ししているという深すぎる絶望の奥には、どんな「闇」があるのでしょうか?(メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』より一部抜粋)

image by: World Economic Forum, CC BY-SA 2.0, ウィキメディア・コモンズ経由で

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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