モーニングショー玉川徹氏の自己矛盾と「因果不明」発言にみるTVの傲慢

 

医者がみな口をそろえて言っているわけではない

さて、この玉川氏は大阪で無作為に介護職の人にPCR検査をしたら1%以上の陽性率があったことから、実は市中感染率は1%以上なのだろうと推定していた。だから、人の接触で簡単に感染してしまうという警告をしていた。

確かに感染についてはそうかもしれない。

さすがに地方でこんな市中感染率はないと私は考えるが、東京については十分にあり得る数字だ。だとすると東京だけで、感染者は14万人の感染者がいることになる。

それに対して入院者数が12月17日現在で1952人。約70人に1人が入院する必要がある病気ということだ。医師の立場からすると、そこまで怖い病気とは思えない。

というのは、そのうち重症者数は66人。2000人に1人にも満たない。

死者数がこれまで532人(16日の新規は0だった)。

仮に感染している時期が2週間だとすると、2週間で20人やそこらしか死なないのだから7000人に1人ということになる。

これが通常のインフルエンザや性質の悪い風邪(これでも高齢者はかなり死にいたる)より怖いとは思えない。

「うつしては犯罪」のようにマスクが強制され、自粛が強制され、自殺が何割も増えるような生活を強いる病気にはとても思えない。

ラジオやテレビを見たり、聞いたりすると、「医者が口をそろえて、自粛を強調しているのに、それを無視する政治家はなんだ」とか「危機感をもたずに歩き回る若者はなんだ」というようなことをしょっちゅう耳にする。

医者が口をそろえて言っているわけではない。

普段、ろくに患者を診ていない感染症学者が口をそろえて言っているだけだろう。

心ある精神科医は「まずい」と言っている人はたくさんいる(もちろん精神科医でも、一緒になってビビっている人も知っているが)。免疫学者にしても、この自粛の危険性を論じている人は何人もいる。

ただ、そういう人をテレビやラジオに出さないだけで、医者が口をそろえて言っているわけでない。

実際、私の聞く九州のほうの大病院では、病院のオーナーの掛け声のもと100人以上の医者を呼んで新年会をやる計画があるそうだ。

何人の人が参加するかわからないが、医者が口をそろえて感染が危ないと思っているなら、そんな企画ができるわけがない。

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