始めの聞き方が大事。上司と揉めずに「ムダな仕事」を減らす方法

 

若い子育て世代の人は、「バスケットボールのゴールを設置すれば、子どもも遊べるし、街に住む子どもたちも、遊びを通して仲良くなれる」と思ったのでしょうね。そしたらその町内会の高齢者世帯が大反対をし始めたのです。自分たちの居場所だし、静かな場所を守りたい気持ちがあったのでしょうね。それに加えて、新しい人たちが入ってきて好き勝手しようとしている。

「もしバスケットボールがとんでいって窓が割れたら?」「人が集まり、騒音問題を起こすかもしれない」と、反対意見ばかり出すんです。若い世代はどう言ったかというと、「今は高齢者しか使えないじゃないですか。子どもたちの遊び場も必要ですよ」といい、なかなか対立が収まらない。

難航する話し合い。大事なのは「ビジョンや目的の共有」

問題は、なぜこんな話になってしまったのか。おそらく原因は、手段から入ってしまったことです。要は、ビジョンや目的の共有をせずに手段だけを変えましょうとなってしまっていたんじゃないかと思うのです。

たとえば、「公園にバスケットボールのゴールを設置するかどうか」という話し合いをする際に、次のように伝えたらどうだったでしょうか。「この公園も人が増えてきて活性化しています。より価値が高い街にしていきませんか?そのためにも公園の在り方も見直す必要があると思いますが、いかがでしょうか。子どもたちが遊べるような場所があったほうが、子育て世帯が増えて明るく楽しい街づくりにつながります。その一案としてバスケットボールを設置したらどうでしょうか」。

もしも「バスケットボールが飛んで行って物を壊しそう」と言ったら、「安全ネットをつけるという方法があります」。もしくは「夜遅くまで人が騒いでいたらどうするんだ」と言えば「鍵をかけるという方法もあります」と言えますよね。

お互いに建設的に話をする気があれば、物事は進んでいきます。心が「ノー」になっている状態では、人は決して「イエス」と言いません。アイデアだけ出されても「いやなものはいや」と、感情で「ノー」を言ってしまいます。

これは「一貫性の法則」といって、最初に前向きな意見を出した人は、最後まで前向きな意見を出そうとします。逆に、否定的な意見を出した人は、最後まで否定的な意見を出そうとします。たとえば、議論を始める時に、「反対」という立場をとった人は、なんとか最後まで「反対」の立場を維持しようと一生懸命になるのです。それだと残念ながら物事は前に進んでいきません。

ここで大事なことは、まず最初に建設的な合意形成をすること。全員が「いいね。この方向に進もう」という同意が取れた状態を作ってから、物事の詳細を決めていくことが大切です。

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