国民の命より開業医の利権。コロナで物言う日本医師会の正体とは

 

世襲化する開業医

しかも開業医は特権を持っているだけではなく世襲化しつつあるのです。

開業医の子供の多くは医者になろうとします。日本の医学部の学生の約30%は、親が医師なのです。「開業医の子供はだいたい医師になる」という図式が数字の上でも表れているのです。

しかし、開業医の子供は「優秀な子」はそれほどいないのです。それはデータにも表れています。というのも親が開業医をしている医学部学生の約半数が「私大」の医学部です。親が開業医以外の医学生の場合、国公立大学が80%を超えていますので、「開業医の子供が“私大の医学部”に入る割合」は異常に高いということになります。

学力の偏差値でいうと国公立大学の方が私大よりも平均するとかなり高くなっています。私大の医学部でも偏差値が非常に高いところもありますが、全体をならせば国公立の方がかなり高いということになります。

そして私大の医学部というのは、6年間で3,000万円以上かかるとも言われ、金持ちじゃないと行けないところでもあります。「開業医の子供が金を積んで医者になる」という図式も明確に表れているわけです。

またこともあろうに、日本医師会は医学部の新設に強硬に反対してきました。その理由は「少子高齢化によっていずれ医者が余るようになるから」だということです。

その結果、日本は、病院数や病床数は先進国で1、2の多さなのに、医者の数は非常に少ないのです。

人口1,000人あたりの医者の数

OECDの平均 3.39人
日本     2.43人

上記のように人口1,000人あたりの医者の数は、OECDの平均値よりも30%近くも少ないのです。この医者の少なさが、現在の新型コロナ禍で日本医療がひっ迫している要因の一つでもあるのです。

まったく自分たちの既得権益を守ることしか考えていないのです。

日本は世界トップクラスの「医療費が高い国」

ところで日本という国は、世界でトップクラスの「医療費が高い国」でもあるのです。

数年ほど前まで、「日本は先進国の中で医療費が著しく低い」というようなことが言われていました。確かに数年前までのデータでは日本の医療費(GDP比)はOECDの平均よりもかなり低いものとなっていました。

日本医師会なども、このデータを盛んに用いて「日本は医療費が安すぎる。もっと医療費を上げるべき」というプロパガンダを行なっていました。

しかし、OECDの統計ではほかの国は介護などの費用も医療費に含めていたのに対し、日本では含めていませんでした。それが発覚したため2011年まで遡及して集計をやり直したのです。

介護費などを含めて再集計すると、日本はOECDの中では6番目という「かなり医療費が高い国」ということが判明したのです。

これ以降、日本医師会は「日本は医療費が安いので医療費を上げろ」というキャンペーンは行わなくなりました。

また日本では生活保護費の約半分が医療費なのですが、この分も集計から漏れていると考えられます。そういうものを含めれば、日本は世界トップクラスの医療費高額国だといえるのです。

医療費というのは、我々が直接、払ったり、社会保険料や税金で払われたりしています。つまり、国民が負担しているという事です。

これほど高い医療費を負担しているのに、そう多くはない新型コロナの患者の治療もまともに行われず、PCR検査の数は世界で百何番目というお粗末さなのです。

我々の払ってきた高い医療費を返せと言いたくなるのは、筆者だけではないはずです。

初月無料のお試し購読はこちら

 

print

  • 国民の命より開業医の利権。コロナで物言う日本医師会の正体とは
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け