新年最初の世論調査結果を各マスコミが発表。コロナ対応の拙さで支持率30%台、不支持率40%台が多く、菅政権に対する国民の評価は悪くなる一方です。ただし、この支持率が40%前後でキープできれば予算成立後に解散総選挙となる可能性があると指摘するのは、小沢一郎氏の秘書を長く務め、永田町の動向に詳しい元衆院議員の石川知裕さんです。今回のメルマガ『石川ともひろの永田町早読み!』では、春先には五輪開催の判断が迫られること、苦戦が予想される衆参2つの補選が4月にあることで「政局」になる前に「解散」の選択はあり得ると伝えています。
菅政権を待ち受ける2つのハードル/急浮上しつつある「春に解散」の可能性
今年は衆議院選挙が絶対に実施される。私も含め今まで「解散か?」と予想していた者は全員外れたことになる。今年のいつあるか予想しても仕方ないのだが、ここにきて「春の解散」の可能性が捨てきれなくなってきた。
新型コロナの感染者数次第だが、緊急事態宣言を解除する目安としている「東京で1日500人」を割った段階で菅政権の支持率がどうなっているのかということが判断の材料だ。30%を下回るようであれば解散に踏み切れないだろう。しかし、40%前後を維持している状態であれば、「これ以上悪くなる前に」ということで予算成立後に解散という可能性は十分にある。
菅政権には、東京オリンピック開催の可否を5月にも判断しなければいけないというハードルもある。仮にオリンピックを開催すれば、支持率低下は必至だろう。すでに各社の世論調査で、「中止」もしくは「延期」を求める声が合わせて7割に達しており、国民の気持ちはオリンピック開催よりもコロナの封じ込めのほうに気持ちが傾いている。オリンピック開催によって世界各国から変異種が流入してくるのを恐れている人が多い。オリンピックよりコロナへ予算をかけるべきだと思っている人が多いということだ。
加えて、4月25日に予定されている衆参の補欠選挙は自民党にとって厳しい結果が予想されている。衆院北海道2区は吉川貴盛・元農林水産大臣の辞職によるもので逆風が予想されている。参院長野選挙区は羽田雄一郎氏(立憲民主党)の弔い合戦で、これも苦戦が予想されている。仮に2敗となれば、下村博文・自民党政調会長が発言したように「政局」になる可能性がある。
そもそも執行部の一員である下村氏は自分が総裁選に出たいために「政局」にしたいという背景もあるので、今後も煽っていくだろう。まずは若手を動かすだろう。直接的に「菅総理では選挙を戦えない」とは言いにくいので、菅総理のコロナ対策の転換を求める議員連盟などを作らせるのではないだろうか。
こうした動きを封じ込める意味でも、菅総理が補選に合わせて総選挙を選択する可能性は十分にあると思っている。いずれにしろ補選はやるのだから「こんな時期に選挙なんて」という批判もかわせるからだ。「どうせ補欠選挙はやらなければいけないのだから、一緒にやったほうが国民の負担も少なくなる」と、理屈としては合っているから批判しにくい。菅総理はどう判断するだろうか。
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