国民年金を1円も払わずに将来の年金額を増やせる「全額免除」使いこなし

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その後、平成30年7月に起こった西日本を中心とした豪雨災害(平成30年7月豪雨)により、住宅や家財に深刻な被害を受けた。

それにより保険料支払うどころではなくなり、国民年金の災害特例免除を利用した(住宅や家財のおおむね2分の1以上の被害が出ると使える免除)。

災害特例免除は災害を受けた月の前月から翌々年の6月まで最大使える。平成30年6月から令和2年6月までの25ヵ月は災害特例免除による全額免除(将来の老齢基礎年金の2分の1に反映)。

令和2年7月から令和4年6月までの24ヵ月は未納にして、令和4年7月から令和10年6月までの72ヵ月間は国民年金保険料を納めた。

令和10年7月から60歳前月の令和30年(2048年)12月までの246ヶ月間は国民年金保険料は全額免除にした。

このように全額免除は所得だけでなく、不測の事態でも利用できたりするので頭の隅に置いておきましょう。

さて、この男性の65歳からの老齢基礎年金を算出してみましょう。

まず、年金期間の整理。

ア.保険料納付済み期間→40ヵ月+35ヶ月+72ヶ月=147ヶ月
イ.普通の全額免除期間→246ヵ月
ウ.学生免除→27ヵ月
エ.退職特例免除→11ヵ月
オ.災害特例免除→25ヵ月
カ.未納→24ヵ月

年金受給資格期間は未納を除く、456ヶ月(10年以上は満たしている)となる。なお、未納期間と学生免除の期間は年金額には反映しない。

・老齢基礎年金→780,900円÷480ヶ月×(納付147ヵ月+普通の全額免除246ヵ月÷2+退職特例11ヵ月÷2+災害特例免除25ヵ月÷2)=780,900円÷480ヶ月×288ヶ月=468,540円

「÷2」という部分が2分の1に反映しますという意味です^^

image by: Shutterstock.com

年金アドバイザーhirokiこの著者の記事一覧

佐賀県出身。1979年生まれ。佐賀大学経済学部卒業。民間企業に勤務しながら、2009年社会保険労務士試験合格。
その翌年に民間企業を退職してから年金相談の現場にて年金相談員を経て統括者を務め、相談員の指導教育に携わってきました。
年金は国民全員に直結するテーマにもかかわらず、とても難解でわかりにくい制度のためその内容や仕組みを一般の方々が学ぶ機会や知る機会がなかなかありません。
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