日本が世界に誇る高級ホテルとして、真っ先に名が上がる帝国ホテル。そんな一流ホテルには、サービスの教訓としている「算式」が存在するのだそうです。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、同ホテルの顧問を務められた藤居寛氏がかつて語ったその算式の意味するところと、帝国ホテルのサービスの真髄が紹介されています。
帝国ホテルに伝わる「10・10・10の法則」
帝国ホテルのサービスの教訓としている算式がありましてね。それが「100-1=0」というものです。
ホテルでは、ドアボーイがお客様をお迎えして、それぞれの持ち場が連携しておもてなしして、最後にまたドアボーイがお送りするわけですけれども、そのうちのどこか一つでもミスがあれば、他でどんなに素晴らしいサービスをしてもすべて台無しになってしまいます。
ですからたった一つのことでも気を抜いてはいけない。一つマイナスがあれば答えは99ではない、0だというのが「100-1=0」なんです。
同じことを「10・10・10(テン・テン・テン)の法則」というふうにも言っています。
信用、すなわちブランドを構築するには10年かかる。しかし、そのブランドを失うのはたった10秒なのです。そして失った信用、ブランドを盛り返すにはまた10年かかるということです。
長い時間をかけてつくり上げたブランドも、たった10秒で崩れます。ですから、一瞬一瞬のお客様との出会いを本当に大事にしなければいけないのです。
お客様にご満足いただけると、「さすが帝国ホテル」と褒めていただけるのですが、たった一つ間違えると、「帝国ホテルともあろうものが」という評価になります。中間の「まあまあ」という評価がないのが当社の宿命なのです。
ですから「100-1=0」や、ブランドは10秒で崩れるという訓戒を心に深く刻んで、「さすが帝国ホテル」と言われるように頑張ろうと声を掛けています。
具体的には「さすが帝国ホテル推進運動」という活動を行っておりまして、ホテル運営をしていく上で大事なオペレーション面、ソフト面、ヒューマン教育などについて常時協議を重ねています。また、特に「帝国ホテルらしい」行いをしたスタッフや部門に対して、社内表彰も行っています。
しかし、人間のやることというのは理想どおりには絶対にいきません。必ずミスもあります。その時には、「お詫びとお礼は1秒でも早く」というのが鉄則です。原因をキチッと究明して、そのお客様が札幌でも沖縄でも、飛んでいってお詫びします。これをやらなければ駄目ですね。
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