「売ってくれない魚屋」から学ぶ、良くないものは売らない決断

 

実際、私も全ての場面でそうできたかというとやっぱりそうはいきませんでした。どうしても売り上げを上げたい時や、どうしても自分よがりになって売りたい商品があるという時は、ついお客様のためではなく、自分のために商品を売ってしまうこともありました。今はコロナの影響もあって、特に売り上げが欲しい時期でもあるでしょうし、私自身、コロナの影響は思い切り食らっていますから、ついやってしまいそうになります。

でも幸い、この1年は特にこのことを強く考えることができました。幼少期に過ごしてきた生活の中のことを振り返り、自分よがりになって売るということはせずに、「これは良くないからやめときましょう」「その代わりこれはどうですか?」と伝えることができています。

そうするとどういうことが起こるかというと、やっぱり売った後の満足度が違うのです。私が売っているのは研修やコンサルといった無形とも言える商品ですが、終わった後のクライアントの反応を見ると、やっぱりあそこで無理に売らなくてよかったなと感じます。

小売の現場でも同じことは常に言えます。その瞬間、どうしても売り上げが欲しくなって自分たちのためにも売り上げを上げる。これが決して悪いこととは言いませんが、それがもしお客様にとってはデメリットとなるような商売になってしまっていると、どんどんお客様は離れていきます。

もしコロナがある程度収束してきたり、他のチャネルで商品を売る方法が確立できても、「あそこで良い思いをしなかったから」と、もう選んでもらえなくなるかもしれません。そうなれば、結局自分たちが割りを食います。

長い目で見る余裕がない時ほど、こうした感覚は忘れがちになるものです。今の売り上げを作ることも大切なので、全てを否定するつもりはさらさらありませんが、少し意識をしておいてもらえると嬉しいなーと思います。

今日の質問です。

  • 「売っていい時」と「売らない方が良い時」にはどんな違いがありますか?
  • その瞬間が来た時に、どんな判断を下すべきか迷わないためには、どんな意識が必要ですか?

image by: Shutterstock.com

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【著者】 坂本りゅういち 【発行周期】 日刊

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