なぜトップセールスマンほど売り込まず「聞き手」側に回るのか?

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やりての営業マンといえば、立て板に水のようなトークでお客様を魅了し売り上げを立てるというイメージがありますが、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが密着した方々は、まったく別のタイプだったようです。佐藤さんは自身の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』で今回、ある業界のトップセールスマン数人を取材して判った少々意外な「全員に共通すること」を紹介しています。

トップセールスマンは寡黙である

私は、ある業界のトップセールスマン数人を密着取材したことがあります。彼らがトップであり続ける秘密を探るための情報誌の企画です。1日中張りついて、彼らの行動・言動・思考を観察しました。それぞれが、セールスの方法論としては独自のスタイルを持っていますが、全員に共通するものを見つけることができました。

私が思い描いていたセールスマンのイメージとは、真逆だと言っても良いほどの衝撃でした。話術に長け、相手を引き込むようなマシンガントークを炸裂させるのかと思っていたが、まったく違っていました。どちらかと言うと、「寡黙」と言っても良いくらい、静かに話します。

本題に入る前には、面白い世間話のネタを用意しているのかと思いきや、サラッと流す程度にしか話しません。本題に入っても、ベラベラ話すわけではなく、少し話しては、聞く方に集中しているようでした。上手く相手の要望を聞き出し、それに対しこちらの提案を持ち出す、といった具合です。

とにかく質問が多いのです。相手から、より多くの情報を引き出そうとします。その情報をまとめながら、最終的に相手が望むものを確認しているようでした。時間を掛けて聞き出した要望なので、相手が本当に望むものを提案できます。

もし、マシンガントークで一方的に売り込んでいたら、相手の望みとは違うものになり、ソッポを向かれてしまいます。売り込みに成功したとしても、トークに圧倒されて、仕方なく契約したのかもしれません。

そうなると、相手は満足できません。次回以降は、話さえ聞いてもらえなくなります。これは、本当のセールスではありません。トップセールスマンは、絶対に売り込まないのです。

相手の望みを知るために、時間を掛けて聞き出すことに徹しています。例え、相手が欲しいと言った商品であっても、それが本当に必要なものかどうかを見極め、「それは不要です」「こちらの方が…」と、正しい選択を提案するのです。

私が出逢ったトップセールスマンたちは、みんな聞き上手でした。相手に話をさせ、頷きながら聞いています。

これこそが、セールスの極意。

これは、仕事に限らず、コミュニケーションの必要な場で活かせる、高等テクニックなのではないでしょうか。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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