【ユニクロ、スタバ、無印良品】企業の成功の秘訣は「第三の市場」立ち上げにあり

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『週刊 Life is beautiful』2015年1月20日号

なぜユニクロは批判されても売れ続けるのか

前にも書きましたが、日本の大企業が、自分が人気の間だけなんとか今の売り上げが維持できれば良いという「逃げ切りメンタリティ」に囚われたサラリーマン経営者たちのために国際競争力を失っている中、際立ったリーダーシップを発揮しているのが、ソフトバンクの孫正義さんと、ユニクロの柳井正さんです。

ユニクロに関しては、賛否両論ありますが、やはりこの記事に書かれている通り、「毎日身につける日用品」としての性能に徹底的にこだわった商品の開発力がユニクロの力です。

私自身も、日本に行くたびにユニクロの服を買い込みますが、その実用性とコストパフォーマンスはライバル企業をはるかに凌駕しています。1万円~3万円で販売されている他者のダウンジャケットよりも3,800円のユニクロのダウンジャケットの方が軽くて着心地が良いとなれば、売れて当然です。

これまで、ファッション業界は、ブランド力がある企業がファッション性(と形ばかりの機能性)で差別化をして高い粗利を稼ぐ高級品と、街のスーパーで安売りされる安かろう悪かろうの粗悪品の二つの市場に分かれていましたが、そこに「必ずしもファッション性は高くないけれども、高性能で安い」商品を開発力と徹底した経営合理化でユニクロが「第三の市場」を立ち上げたのです。

同じ「第三の市場」を立ち上げた例で言えば、素朴さで新しい市場を立ち上げた「無印良品」、それまでにない「場」を作り出したスターバックスなどがあります。

ちなみに、私は常々、Microsoft や Firefox が狙うべきなのは、iPhone とも Android とも全く違う価値を提供する「第三のスマートフォン市場」を作り出すことだと感じています。いくつか具体的なアイデアがあるので、本気で iPhone や Android と戦おうとしている人たちにはそのアイデアを提供しようと考えています。

 

『週刊 Life is beautiful』2015年1月20日号

著者/中島聡
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。 NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。
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