コロナ禍で真価が問われたエバーレーンの透明性とは?
これまでアメリカではコロナ禍で小売店は何とか生き残るために、顧客にはメールを介して商品のプライスダウンを告知し販促を実施、従業員には全員で一致団結してこの危機を乗り切ろうというポジティブなメッセージを送っていました。
しかしここに来て、特にオーバーストアが顕著なアパレル企業では、生き残るために非正規社員に休みをとってもらい始めました。
今までアパレルでは勝ち組のエバーレーンも例外ではなく、200名以上の非正規社員にレイオフや一時解雇をツイッターで申し渡します。
するとエバーレーンのネットが身近なミレニアル層の同社ファンは、エバーレーンがツイッターで非正規社員の解雇を実施した事実を知ることになり、同社が社会的によい会社であるという付加価値に疑問を抱き始め、商品の出どころの、その透明性が100%事実なのか?にも疑いを持つことになります。
ミレニアルの次の世代Z世代はエバーレーンを支持するか?
エバーレーンが対象としたミレニアル世代は、一度は同社の透明性に共感したのですが、その後同社がツイッターで非正社員解雇に至ったプロセスをSNSで同社の労働組合が問いただすことになり、その回答が納得できない弁明であったことからこの層の共感度は落ちていきました。
更に追い打ちをかけるように第三者のNPO機関REMAKEが透明性を分析評価したレポートを発表。同社はこのNPO機関の評価分類で問題である(offender分類)との評価を下されます。
今後アメリカでは社会問題について仲間と頻繁に意見交換するミレニアルの次の世代Z世代(10代から25歳、アメリカ人口3億の4分の1を占める)が出現しコロナ収束後はこの層の支持がSNSで口コミとなり売り上げを左右するのは間違いないでしょう。
社会的価値が売り上げにつながるか?否か?それは別として、少子高齢化の日本で今後社会的意識の高い次世代に支持されない企業は限られたパイの中で売上を獲得できないのです。
コロナ禍の日本で今まずは秀逸なビジネスモデルを構築したエバーレーンのように、ネットでコミュニティーを醸成し顧客のニューノーマルなライフスタイルに対応し、売上を獲得することは必須です。
が、コロナ収束を見据え企業(お店)が透明性を軸にサステナブルを支持する次世代の消費者を獲得するために信頼され共感される仕組みを構築することは、持続可能なビジネスモデルには不可欠なのです。
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