渋沢栄一が断言「お金は悪くない」大切なのは“集め方と散じ方”

 

4)投資する

世の中にはたくさんの会社があって、お客さんが喜ぶ商品やサービスを提供している。お客さんは喜んで、「ありがとう。これは、助かる」と言って商品やサービスを購入して代金を払い、会社は「ありがとうございました」とお礼してお金を受け取ります。

会社には自分のお父さんやお母さんみたいな大人たちが一生懸命働いている姿がある。会社は、その大人たちにいつも「ありがとう」お疲れさまと言ってお給料を毎月払います。大人たちは、「ありがとうございます」と、そのお金を受け取る。

だから、自分たち子どもは毎晩、ご飯を食べることができて、着る服があって、たまに家族旅行に行けるんだという、お金に流れがあることへの理解が深まります。

お金は「よく使う」ことで、このように社会に回り回っているんだというイメージが子どもたちの考えに根付くことを期待しています。なぜなら、お金が社会に回る際に必ず存在しているものがあるからです。それは、「ありがとう」です。

その「ありがとう」を応援するWeという投資のお金の使い方がわかる子どもが増えることは、日本のよりよい未来のためには重要なことではないでしょうか。

子ども向けの話でありますが、ここに大人でも理解すべき大切なお金の本質があると思います。いかがでしょう。

□ ■ 付録:「渋沢栄一の『論語と算盤』を今、考える」■ □
『論語と算盤』経営塾オンライン 

『論語と算盤』能く集め、能く散ぜよ

よく集むるを知りて
よく散ずることを知らねば、
その極、守銭奴となる。

今回のコロナ禍で多くの人が感じました。Meのことはすごく大事です。自分が感染しない、発症しないことを考えて行動する。でも、Weが止まってしまうと、Meは何もできなくなる。Weという社会が健全に回っていることで、Meが開放されるのです。

『論語と算盤』孔夫子の貨殖富貴観

孔子の言わんと欲する所は、
道理を持った富貴でなければ、
むしろ貧賎の方がよいが、
もし正しい道理を踏んで得たる富貴ならば
あえて差支えないとの意である

もしかすると多くの子ども達は「お金」に対してネガティブな印象があるかもしれません。なぜなら、いつもマンガでは「お金持ち」は悪い人として描かれているからです。あるいは家庭内で、いつも「お金が足りない」という話を聞いているかもしれません。

でも、渋沢栄一は断言しています。お金は悪くない。ただ大事なことはよいお金の集め方、そして散じ方。子ども達に学んでほしいポイントはここですね。

謹白

image by: Shutterstock.com

渋澤 健(しぶさわ・けん)

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