春のこの時期、花粉に悩まされるのが人間だけではないというのは広く知られるところとなってきましたが、ペットが辛そうにしていても、自分のことほど注意が向かない飼い主さんもいるようです。メルマガ『佐藤貴紀のわんにゃんアドバイス』では、獣医師の佐藤貴紀先生が花粉症の犬猫に現れる症状を解説し、飼い主がしてあげられる予防法を伝えています。
犬や猫の「花粉症予防対策」
今年も訪れる花粉症シーズン。花粉症は、犬や猫にも影響を及ぼしています。80年代、世界で初めて野生のニホンザルにスギ花粉症が確認されてから1995年にアメリカで犬の花粉症が確認。2000年には猫にもスギ花粉症状を持つ個体が確認されました。実は歴史は浅いですが、犬や猫にも「花粉症」があるのは事実です。
今回は「花粉症」の病状と予防対策についてご説明しましょう。
1)病状について
人間の場合は、目がかゆくなったり、鼻水やくしゃみが止まらないという病状が出てきます。犬や猫の場合は下記の事が言えます。
犬の花粉症状
- アトピー性皮膚炎
- アレルギー性鼻炎・気管支炎・外耳炎
- くしゃみ、鼻水
猫の花粉症状
- くしゃみ、鼻水
- アトピー性皮膚炎(掻く、脱毛、皮膚炎など)
3月中旬から4月にかけて上記のような症状が見られ始める場合には花粉症を疑って下さい。
2)家庭でできる花粉症対策
飼い主さんが犬や猫に予防対策をしてあげられるとすれば
- 飛散が多い日の散歩は控える
- 飼い主さんが帰宅したら、身体についた花粉を落としてから部屋に入る
- 花粉除けの洋服を着せる
これらの事ではないかと思います。
★まとめ
予防としては「食べ物」にも気を使ってあげて下さい。例えば、生の野菜や果物は与えないようにしたほうがいいでしょう。花粉のアレルゲンに対するIgE抗体が、生野菜や果物のアレルゲンと構造が似ている為に反応する場合があるからです。
犬や猫にとっても「花粉症」は辛いです。もし、少しでも辛そうだったら、すぐに動物病院の診察を受けて下さいね。
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