新型コロナワクチンは打つべきか否か?医学博士が全ての疑問に答える

 

【FDAが緊急使用を許可したジョンソン・エンド・ジョンソン社のアデノウイルスワクチンについて教えて下さい】

2021年2月27日、FDAはジョンソン・エンド・ジョンソンの単発アデノウイルスワクチンについて、FDAの「ワクチンおよび生物学的製剤諮問委員会」(VRBPAC)の勧告を受け、緊急使用承認しました。このワクチンは、18歳以上の方への使用が許可されています。

VRBPACは、全国の独立した、科学的、公衆衛生の専門家からなるグループです。彼らの勧告は、COVID-19による入院や死亡の予防を含む重症化予防にワクチン
が85%有効であることを示す臨床試験データに基づいていました。また、B.1.351型がより一般的な南アフリカでは、このワクチンは重症化したCOVIDの予防に80%以上の効果があると考えられています。

ジョンソン・エンド・ジョンソンが実施中の第3相の臨床試験は、18歳以上の成人を対象に、約45,000人の参加者が登録され、半数がCOVID-19ワクチンを、残りの半数がプラセボを投与されました。

ワクチンによる予防効果は、人種や年齢層を超えて概ね一貫していました。また、参加者の34%は60歳以上であり、41%は重度のCOVID疾患のリスクを高める病状を少なくとも1つ持っていました。結果は、糖尿病や心臓病などの疾患を併発している60歳以上の人ではワクチンの効果が低い可能性を示唆しましたが、この研究の参加者にCOVID関連の死亡や医療介入はありませんでした。副作用としては、注射部位の軽度から中等度の痛み、頭痛、疲労、筋肉痛などがありました。

ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンは、コロナウイルスのスパイクタンパクを作るための遺伝的指示を体内に届けるために、ヒトの風邪アデノウイルスを無害化したものを使用しています。ヒトの細胞はこの指示を利用してスパイク蛋白質のコピーを作ります。体内の免疫がスパイク蛋白質を異物として認識し、それに対する抗体を産生します。この抗体が後に実際のウイルスに遭遇した場合、抗体は病気を引き起こす前にウイルスを認識して破壊する準備ができています。

1回接種で済むというメリットに加えて、ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンのもう一つのポイントは、保管のしやすさです。凍らせなければならないmRNAワクチンとは違い、数ヶ月間は冷蔵保存が可能で冷凍保存も可能です。

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