なぜコミックス0巻が映画化になるのか?
劇場公開版のタイトルが『劇場版 呪術廻戦 0』と発表された通り、コミックス0巻の内容を映画化することがわかっている。実はファンたちの間で「どのエピソードを映画化するか」ということも話題となっていた。
映画という約2時間程度の尺で完結する物語を成立させるとなると、さまざまな制約がかかってくる。
『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』『名探偵コナン』のような1話完結モノや、短いスパンで1つのエピソードが完結するような漫画ならば映画化は容易だ。映画用のオリジナル脚本を用意すれば済む。
しかし、『呪術廻戦』のような連続ストーリーもので、かつ原作漫画が現在進行形だったりすると、そうした形をとることは簡単ではない。
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スピンオフをやろうにも、内容や設定によって向き・不向きがあるだろうし、なにより聖典たる原作「外」の物語は、ファンに認められるかどうか、というシビアなジャッジをもクリアしなければならない。
本来なら原作内のエピソードを映画用に膨らませる、みたいな形がベストなのかもしれないが、そうなると、TVアニメと時系列的に齟齬が出ないようにしなければならない。
しかし、放送が終了したアニメの「次」に来るエピソードが、都合良く映画化に適しているとも限らない。
さらに言えば、そうした過去の放送を見た人間でなければ楽しめない、つまり初見の観客が置いていかれるような内容になるとしたら、それはダイレクトに動員にも影響するに違いない。
新規ファン獲得とTVアニメへの誘導がポイント
こうした観点から見ると『呪術廻戦』には“強み”があった。
それは「週刊ジャンプ」での連載以前に、「ジャンプGIGA」で連載されていた「東京都立呪術高等専門学校」という前日譚の存在。コミックス0巻として、ファンの間でも根強い人気を誇っていたのだ。
本編とつながりながらも独立した内容である本作は、「これをやるしかないだろ」との声が多々上がっていた、映画化最有力候補だった。
他にも、コミック8、9巻に、メインキャラクターの五条悟と夏油傑の過去が描かれる「懐玉・玉折編」という、映画用に切り出し可能そうなエピソードがあり、このいずれかが映画化になるだろうとみられていた。
この2パターンなら、映画を契機にTVアニメへの誘導も見込め、新規ファンの獲得が期待できるからだ。
そして、今冬の映画化は大方の予想通り0巻に落ち着いたというところだろう。
想像したいたよりも早い映画化の発表となった『呪術廻戦』。大きな話題と期待をもって迎えられることは間違いない。『鬼滅の刃』を越えることはできるのだろうか?その行方を今から楽しみに待ちたい。
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