リモート学習でつい忘れがちな「相手の小さな変化」に対する気配り

 

昨日の配信では、サームが新曲「花束-Bouquet-」を歌ってくれた。中村ツヨシさんが作詞・作曲した静かなラブソングでもあるし、力強い応援歌のようなこの曲は、たたずみ、ゆっくりと歩くような時間を感じさせてくれる。「心の野辺に咲く名も無き花 集めて小さな花束にして あなたの明日を飾る ささやかな笑顔に変えたい」。

新学期スタートとなるみんなの大学校が全国どこでもつながるウエブを使った学習を展開している立場から、それはとても効率的でスピードを重視している印象を与えているかもしれない。しかし、ウエブでつながる作法は道具としてインターネットを使うものの、基本的には人と人がつながること、その人の小さな変化にも気を配り、「道端の花」を大切にしていることを強調したい。

インターネットと道端の花。矛盾しているようではあるが、今の時代だからこそ、この2つを共存させなければいけない。これまで私はリモート社会、ウエブでつながる情報社会を猛スピードで走行する高速道路に例え「運転できる人だけの社会になっている」と指摘した。

そこはきれいにアスファルトで舗装されて、裸足では歩けないし、走れない道。その道を行く人はスピードを重視しているから、道端の花に目は届かない。リモート学習という「効果的な」学習方法を展開しながら、この道端の花を愛でる時間と感覚を得るにはどうしたらよいだろうか。

2021年度4月に始まる就労継続支援B型事業所みんなの大学校は、仕事を通じてゆっくりとしたスピードで自分の次のステップに進もうとする試みである。詳細は開設後にお伝えしたい。

image by: Shutterstock.com

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障がいがある方でも学べる環境を提供する「みんなの大学校」学長として、ケアとメディアの融合を考える「ケアメディア」の理論と実践を目指す研究者としての視点で、ジャーナリスティックに社会の現象を考察します。

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