築40年以上にもSランクが?マンション管理適正評価制度の仮評価とは

 

仮評価の調査は、令和2年4月~12月にかけてアンケート形式で実施されたもので、回答会員社数は142社(会員社数358社のうち)、回答総数は70,107棟(受託棟数118,386棟のうち)。集計対象数は63,969棟(三大都市圏50,765棟、その他地域13,204棟)というかなり大掛かりなものでした。

その結果は、全体では

S:10.5%(6,714棟)
A:54.6%(34,921棟)
B:27.3%(17,482棟)
C:7.1%(4,549棟)
D:0.5%(303棟)

と、Aが圧倒的に多い結果になりなりました。三大都市圏(首都圏・近畿圏・中京圏)とその他地域を比較すると、分布割合に大きな違いはありませんでした。

年代別の内訳では…

Sランク

1979年以前:2.2%
80~90年 :10.9%
91~2000年:24.5%
01~10年 :31.8%
11年以降 :30.7%

となり、築浅のマンションほどSランクの割合が高い傾向がありました。

Aランク

1979年以前:7.7%
1980~90年:23.4%
91~2000年:31.3%
01~10年 :26,2%
11年~  :11.4%

となっています。

Dランクの年代別分布は

1979年以前  :30.4%
1980年~1990年:57.8%
1991年~2000年:7.9%
2001年~2010年:3.6%
2011年以降  :0.3%

と、9割近くが1990年以前となります。

1979年以前の6,790棟のS~Dの分布では

S:2.2%
A:39.4%
B:39.3%
C:17.3%
D:1.4%

1979年以前でSランクになっている2.2%はすごいですね。

あまりに管理状況が悪いマンションは回答していないのでは…という声もありましたが、これは、貴重な基礎的データとなります。管理会社が評価したものなので、信憑性はどうなんだろう。自社の評価を上げるために下駄をはかせることはないか…という声が管理会社の社員の方からもありましたが、そこは、チッェク体制等何らかの仕組みが検討されるのでないでしょうか。

今後の動向に注目です。

image by: Shutterstock.com

廣田信子この著者の記事一覧

マンションのことなら誰よりもよく知る廣田信子がマンション住まいの方、これからマンションに住みたいと思っている方、マンションに関わるお仕事をされている方など、マンションに関わるすべての人へ、マンションを取り巻く様々なストーリーをお届けします。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 まんしょんオタクのマンションこぼれ話 』

【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

print
いま読まれてます

  • 築40年以上にもSランクが?マンション管理適正評価制度の仮評価とは
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け