通信アプリ大手「LINE」が運営するオープンチャットで、社員らが女子高生になりすまして投稿を続けていたことがわかった。文春オンラインが報じた。LINEをめぐっては、今年3月に中国の関連会社でユーザーの個人情報が閲覧可能だったことが発覚したばかり。不祥事が相次ぐLINEに批判の声が高まっている。
LINEのオープンチャットで社員が“サクラ投稿”
「LINEオープンチャット」は2019年8月にリリースされたLINEのコミュニティサービスで、3月末までの累計利用者数は1100万人を超えている。
もはやライフラインツールとなっているLINEのトークに比べると認知度は雲泥の差で、LINEオープンチャットと聞いてもあまりピンとこない人が多いかもしれない。
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それゆえ、サクラとして社員を投入し、自社サービスを盛り上げる必要があったということなのか。
記事によると、LINE本社からの指示により、社員らが一般ユーザーになりすましてオープンチャットに投稿。現役女子高生を装った社員がトークルーム(掲示板)を開設し、サクラ投稿をしていたという。
LINEオープンチャットは、興味関心事やライフスタイルの共通点をベースに、グループトークや情報交換を楽しむことを目的としてサービスが提供された。
しかし、匿名性が高いことから“無法地帯”と化し、禁止されている「出会い目的」や「わいせつな表現」などの投稿が相次いだ。
見かねたLINEは機能制限を実施するなどさまざまな対応策を講じているが、同種の投稿は後を絶たない。
LINEが社員による“サクラ投稿”の事実を認める
そんな中、発覚した社員の“なりすまし”投稿。
サクラ投稿はスタッフの独断ではなく、LINE本社からの指示だといい、「Talk-room Operation」と題するマニュアルも存在していたとされている。
そこには、「会話が盛り上がらなかった場合」などのケーススタディや自社サービスを宣伝するようなトーク例も記載されているという。
LINEは週刊文春の取材を受けた後、15日付で「事務局によるオープンチャットの管理運営について」とした文書を発表。
「一部事務局で管理運営を行っているオープンチャットがございます」と告げた後、「その際、トークルーム内の発言の中立性を保つため、どれが事務局による運営であるかについては公表しておりません。何卒ご了承いただきますようお願い申し上げます」と、遠回しに“サクラ投稿”があることを認めた。
個人情報の管理問題だけでなく、社員によるさくら投稿まで発覚したLINE。月間8100万人ものアクティブユーザーを持つアプリとして、あまりにも意識が低すぎるのではないだろうか。
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問題が明らかになった後の対応も十分とはいえず、LINEに対する批判はさらに高まりそうだ。