五輪どころか国家の危機。変異種に打つ手ない菅政権で沈没の日本

tsuda20210426
 

4都府県に発出された緊急事態宣言ですが、感染拡大を止めることは不可能なようです。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、コロナ禍という戦時対応が必要な状況にあって、何のリーダーシップも発揮することができずにいる菅首相を痛烈に批判。今のままでは国民の外出自粛の徹底など期待できるはずもなく感染は広がるばかりで、結果日本は衰退の道を歩むことになるとしています。

コロナ第4波で、日本衰退か?

大阪、兵庫、宮城で、4月5日に「まん延防止等重点措置」が発令され、4月12日から東京、沖縄、京都にも発令され、そして4月20日からは神奈川、千葉、埼玉と愛知にも発令された。

その上に4月25日から5月11日まで東京、大阪、兵庫、京都には緊急事態宣言が発令された。尾身会長はステージ3になるまで、緊急事態宣言は延長される可能性があるとしたが、菅首相は延長を考えないとした。

5月17日に、IOCバッハ会長が東京に来るので、それまでには、緊急事態宣言を解除したいようである。五輪ありきの見栄を気にするが、当初から五輪開催という目標に向けて、積極的なコロナ防御をしなかった政策には失望感しかない。

その上、今回のコロナ変異種は、今までのコロナとは大きく違い、軽い接触でも感染し、10歳未満の子供も掛かり、40歳代で重症化する。このため、今までより強い感染防止策が必要になっている。

このため、大阪府の吉村知事は、個人行動を抑止する法令が必要だと述べている。欧州などの都市封鎖に近い事が必要になっている。

このように、感染力が強いコロナ変異種に対抗するには、早く、モデルナとアストラゼネカ、J&Jのワクチンを特例承認して、国民のワクチン接種率を上げて、この危機に対応するべきであるし、数か月前から忠告しているが、それをしなかった報いが来ている。

感染者が、1日1万人以上になるのは時間の問題で、五輪に合わせて、感染者はうなぎ上りに上昇していく。東京でも1ヶ月もしない内に、1日感染者が2,000人になるので、第4波が一番大きいことになる。死者数もそれに合わせて、上昇してくる。これからがコロナ禍の本番を迎えるということだ。

よって、日本は、感染者が少なく世界とは違うとも言えなくなる。日本も世界並みに感染者が急増する。本当の都市封鎖も必要になる。コロナ感染が軽いうちに、本格的な防御対応しなかったことによる。

本当に五輪やる気か?世界が疑い始めた菅首相のリーダシップ欠如」で述べたように、英ジョンソン首相が五輪開催を強力に支援するとして、優先的にアストラゼネカのワクチンを日本に供給するとしたが、それを断った。

五輪開始にはワクチン接種が必要であるから、戦時対応するべきだが、今だに戦時対応をしない。看護師にも注射を認めて、英国のようにボランティアを募り、研修後注射を行う体制も考える必要になっている。注射をする人を多くしないと短期に接種が終わらない。英国の接種状態から判断できる。

下村自民党政務調査会長は、このままであると、65歳以上の高齢者への接種が終わるのは、2022年春になるという。菅首相は7月末には高齢者の接種が終わるとしたが、そのための有効な対応策を打たない。

自衛隊の医師・看護師を動員するというが、高々全国で1万人程度である。その程度では7月終了は無理だ。言葉とその政策が一致していない。すべて、その場限りの言葉だけだ。

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