五輪どころか国家の危機。変異種に打つ手ない菅政権で沈没の日本

 

ファイザーが、9月までに国民全員分のワクチンを供給してくれると菅首相は電話会議で約束したというが、ファイザーは交渉中というのみであり、欧州へ1億人分を追加供給するというが日本分の言及がなく、菅首相の言葉は、その場限りであった可能性が高い。

河野担当相も5月からアストラゼネカとモデルナのワクチンも接種するとしたことは、ファイザーのワクチンが追加されないことを意味している。ファイザー追加分でアストラゼネカのワクチンを使わないと思ったが、違うようである。それだったら、早く使えばよかったことになる。

重症者収容の病院もベット数も増えていないし、コロナ対応の看護師が大量に辞めている。コロナ対応病院の赤字も限界である。コロナ対応ができるように病院経営に手を打っていない。少しの援助で、多くを求めるから民間病院も手を上げられない。手を上げたら倒産してしまう。医師も看護師も逃げていく。

良い例が、東京女子医科大病院である。多くのコロナ看護師や医師が重労働にもかかわらず、給与や賞与を減らされて、疲弊して辞めている。病院が大幅な赤字になっているので、賞与も出せない。

そのような結果で、ワクチン接種を大会関係者、ボランティアや選手にできず、コロナ対応の医師・看護師も不足の中、変異種が拡大する事態になり、早期に五輪を中止すると宣言するしかない。このまま、東京五輪を開催すると、世界に感染を広げるエピセンターになりかねない。

それより、このまま五輪を開催すると、コロナ対応の看護師も五輪に取られて、コロナと五輪で一層医療崩壊も進んでしまう。日本のコロナ対応もできていないのに、その上に、五輪対応で医師・看護師を取られて、医療不足に輪を掛けることになりかねない。

五輪とコロナで大規模な医療崩壊が起きて、多くの死者を出しても、東京五輪を行う価値があるのであろうか。

軽い接触で感染するコロナ変異種の登場で、五輪開催は難しいことになった。なぜ、このようなことが分からないのか、不思議であり、道理が通じないので、あきれるとともに大きな怒りを感じる。

このような日本の状況を見て、米国を含む主要な国のオリンピック委員会は、選手団派遣に尻込みする事態であり、事実、豪州の水泳選手は、テスト大会の日本に来ないとした。

ということで、米ホワイトハウスも、東京五輪に選手を派遣しないと判断する可能性が出ている。バイデン大統領は、科学的でない、指導力もない日本のコロナ対応にあきれている。それが訪米した菅首相の粗末な対応にも出ていた。

そして、自民党幹部でも逃げ手を打つような政治的な動きも出ている。自民党の二階俊博幹事長が中止も選択肢との考えを示し、丸川珠代五輪担当相も、これを否定しなかった。

というように、リーダーの指導力不足で、日本は沈んでいくことになる。

 

個人や医師会などは、自己の狭い利益で判断しているが、この狭い利害を超えて、一国のリーダーは国全体の利益を考え判断して、個人や医師会の利益を超越した政策を強力に推し進める必要がある。

その点、英国のジョンソン首相はリーダーの見本である。医師の治療範囲の規制緩和を危機時に大きく推進させている。そして、早期に国民のワクチン接種を進めている。見習うべきだ。

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