地図のゼンリン、コロナ禍に業績絶好調。中小企業向け重視の巧妙な戦略とは?

 

ゼンリンのホームページによると、この「ラクラク販促マップ」は、ポストなどに入れる販売促進のチラシを作りたい、というようなお店が、どのエリアにどれくらいの家があるのかが、地図の上の数字ですぐにわかります。

世帯数はこれまで、文字ではわかりましたが、地図の上に載っているとイメージもつくしわかりやすいですよね。

もちろん、個人宅だけではなく、小売店や会社なども地図上でわかるので、法人向けのビジネスの方も使えます。

そして、このアプリ上でチラシのデザインを簡単に作ることができます。これがあると、複雑なソフトウエアの知識がなくても、感覚的にぱぱっと作れそうですよね。

そして、配布エリアの地図を切り取ってプリントアウトできるので、そのまま、社員の人たちに配布するために分配したり、それをもってすぐに営業に行ったりすることができます。

このサービスを、税込み月額1100円で利用できるそうです。

ゼンリンでは、地図を作る時に、1日約1千人が全国を回り、入り組んだ路地や建物の入り口まで、目視して確認するそうです。

これによって、1つ1つの家や道に関するかなり細かい情報が、会社に溜まっていきます。

このゼンリンに長年蓄積されているデータをベースにITを使って新しいサービスに転換したわけです。

考えてみると、私の世代ですと地図は紙とか冊子、あるいは本だと思い込んでいましたが、カーナビやGoogle マップなど、地図がデータで提供されるようになってからかなり経ちますよね。

自社の強み、製品やサービスの形を、少し変更すれば、お客様の種類を変えることで、さらなる売り伸ばしができる、ということです。

例えば、飲食店さんでいえば、通常のランチのメニューを弁当ボックスに入れて販売できれば、自宅で働いている人たちや介護が必要な方への宅配にできる、といった具合です。

ゼンリンの事例から、自社の強みを活かして、お客様の問題を解決する、というマーケティングの原点を思い出すことができました。

image by: Keramahani, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

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