リモート会議で上司が部下に「顔出し要求」はハラスメントになるか?

 

会社通達であっても、感情的納得性が十分に得られない可能性は残りますが、信頼関係が希薄な上司の職権乱用だと受け止められるよりはましです。経営者としても、ある部署は顔出しで会議が行われているのに対して、別の部署は部下の反発を恐れた上司の判断で声だけ会議になっている。このような管理職個人にこの問題を押しつけようとするのは無責任です。

もちろん会社に仕切ってもらう場合でも、少しでも感情的納得性が得られるように、社員の気持ちに配慮したルールを添えることを忘れてはなりません。

もっとも、そこまでやらなければならないのなら、自分が我慢すればいいので「顔出しなしでいいや」と思う上司であれば、それはそれで1つの選択です。ただし、感情的納得性への対応力をつけていかなければ、相手にココロから納得してもらう力があるとは言えません。本当に仕事ができる人は、論理的納得性だけでなく感情的納得性への対応力も高い人です。

【今日のまとめ】

  • 人の納得には「論理的納得性」と「感情的納得性」の2つの側面があり、両者がそろって心から納得する
  • 理屈に対して理屈で反発されているときには、実は裏にある感情的納得性が得られていない場合がある
  • 感情的納得性を得やすくするためには、「共感的理解」の姿勢で相手の気持ちを理解したコミュニケーションが必要である
  • リモート会議の顔出し問題のような感情的納得性の要素が強い案件、かつ会社全体で共通の案件は、上司と部下の個人問題ではなく会社問題としてルールを決めてもらう。その際、社員の気持ちに十分配慮した対処を盛り込む

.

櫻田さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

image by: Shutterstock.com

櫻田毅この著者の記事一覧

造船会社で深海調査船の開発に従事した後、証券会社での投資開発課長、投資技術研究室長などを経て、米国資産運用会社で資産運用コンサルティング部長。その後、執行役COOとして米国人CEOと共に経営に携わる。 現在、日米のグローバル企業での実績をもとに、講演・研修を通じて多くのビジネスパーソンの成長支援に関わる。日本投資顧問業協会、日本証券アナリスト協会などの委員を歴任。九州大学大学院工学研究科修了。 主な著書に『管理職1年目の教科書』『管理職3年目の教科書』(ともに東洋経済新報社)がある。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 『櫻田毅の人材価値向上講座』~「仕事をこなす人」から「仕事ができる人」への成長読本 』

【著者】 櫻田毅 【月額】 ¥660/月(税込) 初月無料 【発行周期】

print

  • リモート会議で上司が部下に「顔出し要求」はハラスメントになるか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け