会社通達であっても、感情的納得性が十分に得られない可能性は残りますが、信頼関係が希薄な上司の職権乱用だと受け止められるよりはましです。経営者としても、ある部署は顔出しで会議が行われているのに対して、別の部署は部下の反発を恐れた上司の判断で声だけ会議になっている。このような管理職個人にこの問題を押しつけようとするのは無責任です。
もちろん会社に仕切ってもらう場合でも、少しでも感情的納得性が得られるように、社員の気持ちに配慮したルールを添えることを忘れてはなりません。
もっとも、そこまでやらなければならないのなら、自分が我慢すればいいので「顔出しなしでいいや」と思う上司であれば、それはそれで1つの選択です。ただし、感情的納得性への対応力をつけていかなければ、相手にココロから納得してもらう力があるとは言えません。本当に仕事ができる人は、論理的納得性だけでなく感情的納得性への対応力も高い人です。
【今日のまとめ】
- 人の納得には「論理的納得性」と「感情的納得性」の2つの側面があり、両者がそろって心から納得する
- 理屈に対して理屈で反発されているときには、実は裏にある感情的納得性が得られていない場合がある
- 感情的納得性を得やすくするためには、「共感的理解」の姿勢で相手の気持ちを理解したコミュニケーションが必要である
- リモート会議の顔出し問題のような感情的納得性の要素が強い案件、かつ会社全体で共通の案件は、上司と部下の個人問題ではなく会社問題としてルールを決めてもらう。その際、社員の気持ちに十分配慮した対処を盛り込む
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