【ヴィジョン】
「未来についてのイメージが今の生き方を決定する」というのは、恩師の一人、精神医学者の小木貞孝(小説家の加賀乙彦)先生の名言です。
未来に虚無しか見えない人の生き方が刹那的、享楽的になるのは必然です。彼らの現在は、既に、未来の虚無に飲み込まれているからです。
私個人は、それがどういうものかよく分からないながらも、死後も魂は連続すると信じています。
尊敬する恩師や友人たちに「死後の連続性」を信ずる人たちが多かったことも一因でしょう。しかし、本音を言えば、その方が楽しいから信じているのです。その方が、今、生きている内にやっていることに「意味」を見出せるからです。ちょっと気障(きざ)に言うなら、充実した今を生きるために、未来を信じているのです。
マクロ的に見れば、自分というちっぽけな存在のやっていることが、銀河宇宙の歴史の中で、何らかの意味を担っていると実感したいのです。ミクロ的に考えれば、自分の妻や子供たち、孫、お世話になった方々や友人たち、この世で縁をいただいた人々に、少しでも恩返しをしたいのです。そして、自分の死後も生き続けるであろう孫や次世代の人たちに、少しでもお役に立ちたいのです。
おそらく、そうした願いが私の認識を歪め、死後の連続を信じさせるのでしょう。冷徹な客観主義の観点からすれば、それは、一種の「幻」なのかもしれません。しかし、幻の中にも、意味のない無価値な幻もあれば、価値のある幻もあります。価値ある幻のことを私たちは「ヴィジョン(vision)」と呼びます。
いくら「そんなものは幻だ」と笑ったところで、「ヴィジョン」の無い者に未来はありません。未来は貴方の心の中から生まれて来るのです。
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