(3)実際に高まるリベンジ消費
Adweekは5月21日にこの記事を掲載しましたが、実際には、この記事を受けてから準備していては間に合わないほど急激な消費が進んでいます。
例えば、先週末、アメリカでは夏のはじまりを告げるメモリアルデーでしたが、この日を含む3連休でした。
ニューヨーク州に限らずアメリカ国内はどこもかしこも経済再開が進んでいるので、当然、連休を楽しもうと旅行に行く人も多数。飛行機の搭乗率は急増。
空港利用者は昨年比で5倍に増加したと報じられています。まるでパンデミック以前に戻ったような勢いです。
● Millions fly for Memorial Day weekend as US sees busiest days of pandemic air travel
● Memorial Day Travel: Record Crowds At Airports, On Roads
また、昨年はコロナ禍のため閉鎖されていたマイアミビーチはもうたくさんの人たちでいっぱい。すっかりコロナ禍が過ぎ去ったかのような中継シーンも伝えられています。
● Crowds Flock To Miami Beach For Memorial Day Weekend
このように外出が増えることで、それに伴う必需品(女性ならお化粧品やお洋服、歯のホワイトニングなどなど)の売れ行きも増加しています。
● As People Emerge From Pandemic, They’re Buying Surprising Items
(4)マーケターが考えるべきことは?
こうなってくると、あとはどれだけ消費者の購買に訴求するかですが、ここで重要になってくるのがデータです。
パンデミックにより消費者の購買行動は大きく変化しました。その変化の中心にあるのがEコマースやオンライン上での消費です。
特に可処分所得の多い富裕層はお金があるので、新しい商品やサービスを試す余裕がありましたし、デジタルネイティブであり、職についている人口も多い若いミレニアル世代の消費行動もよりオンラインに変化しています。当然、経済再開しても今後もしばらくは続きます。
というのも、パンデミックがなくてもEコマース販売はじわじわと増えていたので、ただ単にパンデミックが後押しとなり一気にオンライン上での消費が増えただけなのです。
そのため、パンデミック以前までの消費行動に関するデータは使い物にならないと多くのアナリストが米国小売業専門のカンファレンスのNRFやデジタル見本市のCESでも指摘。
ということは、消費行動が変わった今、改めてデータを集めて分析しないと、的外れの販売プロモーションや商品開発をしてしまうかもしれないということなのです。
そして一気に経済再開している今、よりわかりやすい変化が出ているかもしれませんね。消費者の消費行動はどのように変化したのか、実に興味深い観察対象ではないかと思います。
まとめると、データをいかに集めるかが重要。かつ、ワクチン接種が進む今、企業経営者や商品開発の方々やマーケターはワクチン接種するかしないかという議論よりも、ちょっと先の未来で起こる経済再開によるリベンジ消費(復興消費)をいかにチャンスに変えられるかを考える時期にいるということをちゃんと認識する必要があるということなのです。
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image by: Felix Mizioznikov / Shutterstock.com