「お座り」でも「伏せ」でもない。犬のスペシャリストが最初に「名前」を教える理由

 

さて、一般の人は、私のように、何匹もの犬と生涯接することはないのかもしれませんが、私のように、数十匹の犬をコントロールするためには、(オフリードで)、犬たちが呼ばれた名前(音)に反応して、こちらに意識を向けてくれなければなりません。

20匹の犬がいたとしたら、オフリードの状態で、その中の1匹だけに注意を促したいとき?犬の固有名詞が必要になります。以前、私の家にいたマックス、ハリウッド、バンバン、レオ、ハマー、マセ、スバル、サミー、ベル…など、多くの犬が同じ空間にいた場合、名前を呼ぶことで私がどの犬に対してコミュニケーションを取ろうとしているのか?名前を呼ぶことで、犬たちも混乱しませんよね?

但し、ご存じでしょうか?この前のメルマガにも書きましたが、犬たちは「母音」に反応します。マックス、ハマー、マセ、サミー、バンバン、これらは、最初の文字の母音がすべて「あ」です。ということは、マックスを呼びつけることで、マセもハマーも、バンバンもサミーも私に意識を向けます。

でも、犬たちは「あ、俺のことじゃないんだ…」「あ、私が呼ばれているんじゃないんだ」って分かります。それは私の目線があるからです。マセに声を掛けたとき、私はマセを見ます。マセ!ということで、マックスもハマーもサミーもバンバンも私を確認はしますが、私の目線はマセに向かっている。そのことで、犬は「自分のことではない」と理解するようです。

今うちには、マセとマナがいます。どちらも「マ」で始まる名前ですから、マセを呼んだとしてもマナも反応します。語尾なんてどうでもいいんです。9月号だったかに、犬語の習得法というタイトルでしたか、音と犬については書いていますので、ここでは割愛します。

さて、今回は、私が最も大事としている「オビディエンス」についてです。私が犬に何を教えるか、その目的はなんなのか?を書きます。アメリカも日本も「オビディエンス」という言葉がありますよね?日本語でいうところの「服従」という意味です。

大抵、どのトレーナーも躾け教室も教えることは、「座れ」「伏せ」「マテ」「カム」とこの4つが基本でしょう。訓練になると、もっと上の「ヒール」(付け)や、アジリティーでは「オーバー」(飛び越えろ)など、いろんなことを犬に教えます。

でも私は先に書きましたように、「座れ」や「伏せ」は必ず教えることではありません。「座れ」や「伏せ」などは、犬のポーズに過ぎないからです。必要な犬には教えます。必要な犬とは?「興奮しやすい犬」です。興奮しやすい犬とは「パニックになる犬」もこれに当てはまります。

次に私が教えることは、「下がれ」です。「バック!」です。これ教える人はいないんではないでしょうか?私も自分で気づかないうちに、自分の犬たちにやっていたことだったんですが…。

以前からメルマガでは、「リーダーシップ」についても、「スぺース」についてもよく書いておりますが、「バック」を教えていることについて、詳しく書いたことはなかったと思います。オンラインセッションなど、実際に私がセッションをするときには、必ず飼い主さんに教えることですが…忘れておりました。

犬の心理を理解するための情報満載、MASUMIさんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

print
いま読まれてます

  • 「お座り」でも「伏せ」でもない。犬のスペシャリストが最初に「名前」を教える理由
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け