刑務所の面会か。丸川大臣「五輪食事会場に監視員とアクリル板」の不見識

 

仮に「監視員」というのを置くとなると、こうした難しさというのはその監視員に「のしかかって」来ることは目に見えています。

仮に英語のできる監視員を配置するにしても、「日本ではワクチンへの不信が根深いので、接種を急ぐことができなかった。その上で、島国ということもあり、外国からの感染への警戒感も強い。そのため、科学的に合理的な範囲を超えて、東京都民の感情論をコントロールしないと、大会は日々激しい反対に晒されてしまうことになる。だから事実とか、科学の問題でなく、とにかくこの規制を理解して、受け入れて欲しい」などという正直ベースのお願いを真剣に、かつ信念を持って説明できるような人材はいないと思います。

また、下手に英語が出来る監視員であれば、それこそ海外の選手や報道関係者に説得されて「おっしゃる通りですね」などと引き下がってしまうでしょう。どうしても「引き下がるな」と命令されていて、会話が破綻しているのに押し通すような姿勢を通しては、生半可に英語ができる人に限って、日本のイメージを破壊して回るようなことにもなりかねません。下手をすると、口論などのトラブルも避けられないと思います。

となると、英語を話さない人にしか任せられないわけですが、その場合は、東京や大阪の「見回り隊」のように「プラカードを掲げ」るとか、「説明チラシを配る」などの無言対応になるわけで、そこで「意味不明な(関係性の危機をカバーする本能から来る)微笑み」を貫き通していれば、これもまた、日本のイメージを壊すだけだと思います。(メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』より一部抜粋)

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image by: 丸川珠代 - Home | Facebook

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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