かんぽ生命保険の不正販売を告発したNHKの「クローズアップ現代+」について、NHK経営委員会が日本郵政からの抗議に同調し批判した問題で、拒否していた議事録がついに公開され、現NHK経営委員長森下俊三氏(当時代行)らの放送法違反が濃厚となる発言が明らかになりました。メルマガ『uttiiの電子版ウォッチ DELUXE』では、著者でジャーナリストの内田誠さんが、東京新聞からこの問題に関する記事と、森下氏の名前が上がった記事を抽出。議事録開示に時間を要したことで「NHK改革」の機会が失われたと指摘し、委員長が責任を取ることを求めています。
NHK経営委員会の怪を新聞はどう報じたか?
きょうは《東京》から。《毎日》が積極的に報じてきた問題だが、《東京》はきょうの7面で記事にしている。
現経営委員長の森下俊三氏がNHK会長らを批判する形で、番組に干渉しようとしたとされる件。この「森下俊三」で《東京》のデータベースを検索すると、14件にヒット。まずは、7面記事の見出しと【セブンNEWS】第3項目の再掲から。
NHK経営委 議事録開示
かんぽ報道 委員、番組を執拗批判
かんぽ生命保険の不正販売問題を報じたNHK「クローズアップ現代+」に抗議した日本郵政グループへの対応を巡り、経営委員長代行だった森下俊三氏が、当時の会長を厳重注意した問題で、経営委は議事録を開示。番組への干渉を禁じた放送法違反の疑いが浮上。
以下、記事概要の補足。情報開示を請求していたのは共同通信など。議事録では委員が番組を執拗に批判しており、それだけで個別番組への介入を禁じた放送法32条違反の疑いがある。森下俊三経営委員長は一貫して放送法違反を否定してきた。かつ、経営委は当初、「公表を前提に議論していない」などとして開示を拒否。NHK情報公開・個人情報保護審議委員会から2度にわたって開示を求める答申を受け、やっと全面開示に至った。先月には大学教授らが開示を求めて東京地裁に提訴もしていた。
18年10月23日の議事録によれば、森下委員長(当時は委員長代行)は石原進委員長と共に会長への注意を主導し、番組内容や取材手法(ネット上で情報提供を求めていた)を「極めて稚拙」などと批判。一方、番組介入は法律に触るからとして、郵政側が問題にした「ガバナンスの欠如」に議論を絞ったと。
●uttiiの眼
日本郵政は、結局番組が指摘したとおりの問題が明らかになり、不正販売を認めることになった。その点から考えても、NHK経営委の一連の振る舞いは、特殊な形とはいえ、報道機関の一翼を担っているはずのNHKの最高意思決定機関として恥ずかしいものと言えるだろう。とくに経営委員長(一般企業の最高経営責任者にあたる)は、明らかな放送法違反の責任を取るべきだ。
森下俊三氏は、2018年3月13日付で、阪神高速道路会 ...