追い詰められる中国。「武漢研究所からコロナ流出」説の動かぬ証拠

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今なお世界中の人々を苦しめ続ける新型コロナウイルスの起源ですが、「武漢研究所流出説」の信憑性がにわかに高まってきているようです。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では元全国紙社会部記者の新 恭さんが、これまで実験室からの流出を陰謀論扱いしていた、科学者や世界の名だたるメディアの姿勢を方向転換させた「証拠」を紹介。その上で、菅政権は中国政府に毅然とした態度で真相の説明を求めるべきだとし、これを機とした「中国に対する弱腰外交」からの脱却を訴えています。

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武漢の研究所からのコロナ流出疑惑深まる。中国政府に説明を求めよ

ずっと気になっていた中国・武漢ウイルス研究所からの新型コロナウイルス流出説。一部の専門家が陰謀だと指摘して、立ち消えになりかかっていたが、バイデン米大統領が再調査を情報当局に指示したのをきっかけに再燃している。

世界各地の互いに見知らぬネットユーザーの連携によるデータ収集と解析で、同研究所からウイルスが漏れ出したことを裏付ける事実が浮かび上がった。これを受け、科学者や大メディアも真相解明に乗り出している。

だが、この件に関し、日本政府はいっさいコメントをしていない。新疆ウイグル自治区における中国政府の人権弾圧について、見て見ぬふりをしてきたのと同じだ。欧米諸国が対中姿勢を厳しくしているのにくらべ、なんという生ぬるさだろうか。

厚労省が、中国・武漢市で「新型肺炎が発生している」と第一報を伝えたのは2020年の1月6日だった。実はその前年の12月1日には感染者が確認されていたが、中国当局はこれをひた隠しにしていたのだ。

その間、すでに武漢から感染者が日本にかなりの数、入国していたことになる。当時の安倍政権はなぜか水際対策を強化せず、2月1日になってようやく武漢を含む中国・湖北省からの入国を制限した。

背景に、同年4月に予定されていた習近平国家主席の国賓来日があった。大イベントを前に、揉め事のタネを撒きたくなかったのだ。初期の対策の立ち遅れが尾を引いて、今に至っている。

もとより、今のパンデミックを起こしているウイルスの起源を追求することは、将来のパンデミックに備えるためにも、きわめて重要だ。政治や経済の都合で、解明への努力がおろそかになってはならない。

巨大マーケットを背景に強気一辺倒な中国との経済関係を正常化するためにも、欧米と歩調を合わせて言うべきことは言い、ただすべきはただす必要があるのではないか。

武漢ウイルス研究所への疑惑は、一部の科学者の間で、発生当初からあった。発生源とされた海鮮市場に近いうえ、世界で一番、コロナウイルスを収集してきた施設であるからだ。当時のトランプ米大統領は同研究所から流出したとする説を強く支持していた。

これに対し、新興感染症の大規模な国際調査を行う非営利の研究機関、エコヘルス・アライアンス代表、ピーター・ダザック氏は他の26人の科学者と連名で、医学誌『ランセット』で下記の公開書簡を発表した。

「新型コロナウイルス感染症が自然な発生源を持たないことを示唆する陰謀論を、私たちは断固として非難する」

人間が感染動物と接触したことによる自然発生ではなく、実験室での遺伝子操作などによるものではないかという疑惑を「陰謀論」と切り捨てたのである。世界的に信用のある医学誌『ランセット』に掲載されたこともあり、これが、武漢ウイルス研究所流出説を否定する流れをつくった。

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