狙われた楽天モバイル。ソフトバンクがLINEMOで仕掛ける容赦ない攻撃

shutterstock_1940192506
 

ソフトバンクがオンライン専用ブランドのLINEMOで、3GBを月額たった990円で使えてしまう「ミニプラン」をスタートさせ大きな話題となっています。同プランをこのタイミングでリリースしてきたソフトバンクの狙いはどこにあるのでしょうか。今回のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』では著者でケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんが、LINEMO事業担当者のコメントを引きつつ、ソフトバンクの「キャリアとしての期待」を考察しています。

スマホ最新情報から裏事情まで、石川温さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

LINEMOが3GB月990円でMVNOと楽天モバイルを一網打尽に――「たくさん使いたい」デマンドにいかにつなげられるか

ソフトバンクはLINEMOの新料金プラン「ミニプラン」を発表した。3GB使えて、月額990円(税込)、LINEのギガフリーにも対応する。

市場調査によれば、スマホユーザーの6割が1ヶ月で使うデータ容量が3GB以下ということで、ユーザーのニーズが多いデータ容量を投入してきたというわけだ。

そもそも、データ容量20GBというのが総務省が国際的に通信料金を比較する上での物差しに使われていただけに過ぎない。菅義偉首相や武田良太総務相が「大容量プランが世界と比べて高すぎる」と指摘したことから、3キャリアがあえて設定してきたデータ容量だけのことだ。ユーザーのニーズとしては「そんなに使わないから、もっと安い方がいい」と思うわけで、ソフトバンクはその声に応えてきたというわけだ。当然のことながら、NTTドコモ「ahamo」、KDDI「povo」も対抗してくることだろう。

問題は「MVNO市場を直撃しないか」という点だ。3キャリアのオンライン専用プランが横並びで20GBだったことで、MVNOには「小容量」という、生き残れる隙間ができた。MVNO各社とも、オンライン専用プランが発表されて以降、小容量をさらに値下げすることでなんとか持ちこたえた感がある。しかし、ソフトバンクがLINEMOで容赦なく小容量を攻めてきたことで、MVNOが俄然、危うい立場に追い込まれた。

ただ、ソフトバンクとしてはMVNOのみならず、LINEMOのミニプランでターゲットにしているは楽天モバイルのようだ。

LINEMO事業を担当する寺尾洋幸氏は「楽天モバイルを意識している。階段式がいいのか、シンプルなかたちがいいのか。階段式の場合、ユーザーの意図に反して請求額が増えることがある。我々としては安心して使ってもらいたいため、この設定にした」と語る。

楽天モバイルは月間1GB以下はゼロ円、1~3GBは1,078円、3GB~20GBは2,178円、20GB以上は3,278円という階段式を採用している。ユーザーがどんなに3GBで納めようと思っても、スマホが勝手に通信をして、3GBを超えてしまうこともある。それであれば、ソフトバンクとしてはきちんと3GBという設定をして、安心して使ってもらいたいというわけだ。

【関連】IOCバッハ会長を「痛烈なピッチャー返し」でおもてなし!? 始球式に国民怒り、反撃プラン大喜利で上杉達也、侍ジャパンも大迷惑

スマホ最新情報から裏事情まで、石川温さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

print
いま読まれてます

  • 狙われた楽天モバイル。ソフトバンクがLINEMOで仕掛ける容赦ない攻撃
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け