「世界的なタップダンサーとかジャズピアニストがいるの自慢してるところが、情けナインですけど……」
演出の中で、世界的なタップダンサーがタップダンスを踊って見せる時間、世界的なジャズピアニストがジャズピアノを披露する時間が結構ありました。
それぞれ素晴らしいものだとは思いますが、五輪でそれを見せることが、「日本って素晴らしい国だ、さすがだな」と思われる事に繋がる様には思えませんでした。
そもそもタップやジャズは外国のもので、如何にそのトップが日本にいるからといっても、外国からしてみれば「へぇ、俺たちがつくったカルチャーについて、日本人でもやってるやつっているんだなぁ」と思われるだけの話。
三味線が得意な外人が外国のオリンピックで演奏してるのみても、「へぇ、外人なのに、三味線が得意なやついるんだ」とは思うでしょうけど「でもなんで、俺たちの文化の三味線、開会式で使ってんだ!?」と思うのがオチでしょう。
このあたりの演出センスが、僕には誠に情けない話だと……感じた次第です。
「えっ、あのドローンの演出、日本企業のじゃなないの!?アメリカのインテル社にカネ払ってやってもらったって!?!? もう日本に自慢できるもんナンモないやん……」
僕が今回、唯一、世界に誇れるのは、陛下と歌舞伎を除くと、このドローンだけか……と思っていたのですが、それすら、実はインテル社の提案にのっかって、カネを払ってやってもらったようです。
もう技術立国日本の誇りも何もあったもんやないんですね……。
「テーマが多様性、っていうけど、単に出鱈目なだけで、ナンモええことあらへんやん……」
今回のテーマが多様性ってことで、兎に角統一感を無くし、バラバラに、そして、ダラダラといろんな人が好き勝手にパフォーマンス(?)するっていうのが、終始一貫していました。
そのバラバラでダラダラしたもので、観客をぐっと感動させるような事ができれば良いのですが、全くそういう風には思えませんでした(その象徴が大工のパフォーマンスですね……)。
つまり、この開会式で唯一、一貫していたのが「統一感の無さ」だけだったなんていう、笑えないギャグの様な状況になっていたのです。
まるで、どこかの高校か大学の文化祭程度の代物だとしか思えませんでした。
海外メディアの一部からは、「コロナに会わせて控えめだった」なんて良い風に言ってもらってはいるようですが、今の日本には、世界をあっと言わせる凄いものなんてできないことを多様性って言葉で誤魔化しているようにしか見えませんでした。
本当に情けない開会式だったと思います。
(メルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』より一部抜粋・敬称略。続きはご登録の上、お楽しみください)
藤井聡氏の活動をサポートできる有料メルマガ登録・詳細はコチラ
※2021年7月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、7月分のメルマガがすべてすぐに届きます。
- 「多様性」を重視した東京五輪開会式は、日本人が自信と誇りを失った姿を世界に晒す機会となった。(7/24)
- 視聴率のためにコロナ恐怖を煽り巨大被害をもたらした「TV」 ~タブーを作り上げる強力なTV権力の実態~(7/17)
- 緊急事態宣言が導く「悪夢の菅政権」の“崩壊”と「小池政権という悪夢」の“予兆”(7/10)
- 「非高齢者」はワクチンを打つべきか打たざるべきか? ~ワクチン・リスクがコロナ・リスクよりも高くなるリスクを考える~(7/3)
こちらも必読!配信済みのバックナンバー!
- 『朝まで生テレビ』で露呈した政府与党の腐敗 ~国民を救うためにプライマリーバランスと消費税をTVで激論!せよ~(6/26)
- 西浦・尾身教授&吉川・土居教授問題の本質:日本の「デフレ」も「コロナ禍」も結局は「学術界の腐敗」の必然的帰結である(6/19)
- 日本が『地獄』に落ちる根本原因 ~コロナ禍が露わにした日本に「政治」が無くなったという真実~(6/12)
- 「私、ワクチン打った方が良いんでしょうか?」という質問を受けました。当方が「即答」したその内容と理由を詳述します。(6/5)
- 「コロナ脳」の正体 ~公的コロナ被害でなく「自分がコロナに罹るリスク」の最小化だけを目指す浅ましき「お為ごかし」精神~(5/29)
- 『「緊急事態宣言の延長」反対論者は、高齢者を「殺」そうとする大罪人である』~日本を滅ぼす恐るべきコロナ脳の論理~(5/22)
- 20万円給付金やコロナ対策、消費税凍結等が如何にして「財務省の役人達」に潰されているのか?(5/15)
- 「緊急事態宣言・延長」が如何に不条理なのかを、解説します。(5/8)
- 小池・吉村らの“コロナ禁酒”を甘く見てはいけない。さもなければ日本は地獄に落ちる。(5/1)
- 本当の「緊急事態」はコロナではない。中国による「尖閣有事」「台湾有事」こそ真の緊急事態である。(4/24)
- 「コロナ自粛の根本問題」を解説します ~歴史を動かす「バタフライ・エフェクト」の蝶を全て虫籠に収める愚~(4/17)
- コロナ禍のメカニズム:日本は「ガマンすると良いことあるぞ」スキーマで自滅しつつあります。(4/10)
- 「日本のコロナ対策」は絶望的に滅茶苦茶…その中で何ができるのか、絶望せずに動きながら考え続けたいと思います。(4/3)
- 【小池=クロちゃん説】小池知事のコロナ対策は単なるポーズ。クロちゃんが口説く女性にだけ優しいのと全く同じ(3/27)
- 緊急事態宣言が解除された今こそ、「コロナ自粛の不条理さ」の徹底検証・徹底周知が絶対必要です!(3/20)
- 東日本大震災から10年、「国土強靱化」は何故進まなかったのか? ~財務省「一強」状態が日本脆弱化の根本原因である~(3/13)
- 政府の腐敗は国民が「怒り」を忘れた事の必然的な帰結である ~日本人は「怒るべき時に怒る感覚」を思い起こさねばならない~(3/6)
- 「ワクチン接種」は予定通りに絶対進まない ~菅長男接待に象徴される菅”腐敗”政権がまともに機能できない本質的理由~(2/27)
- コロナ対策についての実証研究から、日本政府が「相当な馬鹿」である事が学術的に示されました。(2/20)
- 「ポリコレ」というモノの見方を、今回の「森喜郎発言」騒動や「コロナ」騒動を機に是非しっかり身に付けて下さい。(2/13)
- 「皆で自粛してコロナを乗り越えよう」物語をどうすれば転換できるのか?~精神病理学に基づく集団的コロナ脳現象へのアプローチ~(2/6)
- 世論に併せて緊急事態宣言を取り敢えず延長する政府と、それを何とも思わない世論の冷たさが、多くの人を自殺に追いやっている。(1/30)
- この度、田原総一郎氏と対談本を出すことになりました。田原氏の佇まいに西部先生の面影が垣間見え、感慨深い対談となりました。(1/23)
- 政府の緊急事態宣言が出鱈目なのは「惰性だけで出しているだけの年賀状」の様に「いい加減に出された」ものだからである(1/16)
- 政治家達の責任逃れのための「緊急事態宣言」。そんな中で、国民被害をホントに回避・軽減するために一体どうすればいいのか?(1/9)
- 新年最大の山場は総選挙。消費減税・凍結の成否は、菅内閣の支持率がどこまで下落するかの一点にかかっている。(1/2)
- 【新年特別号】2021年の日本はどうなる?コロナ・不景気・菅政権の3大問題解決に必要なこと(1/1)
- 菅内閣はなすべき対策を「過剰自粛」し、日本破壊を加速している。(12/26)
- 支持率が一気に下がった決定的原因は菅義偉の「ショボさ」にある~ウェーバーの「政治的カリスマ性」の総理にとって重要性(12/19)
- 菅政権による国民窮乏化策 ~コロナ禍で所得補償「せず」に高齢層/子育て層への「実質増税」を断行する我が国政府~(12/12)
- 都構想やコロナ等、世論に批難されながら発言し続けるために、日々どのように自説を「吟味」し続けているか?について。(12/5)
image by: Tomacrosse / Shutterstock.com