泡と消えた夢。日本に「バブル景気」が二度と起こらない3つの理由

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かつての輝きの影もなく、ことにバブル崩壊後は全てにおいて世界から取り残されている観がある日本。この停滞の原因はどこにあるのでしょうか。今回の無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』では著者の佐藤しょ~おんさんが、日本にイノベーションが起こりにくくしている要因を考察するとともに、その構図を変える方法を提示。さらにこれからの時代、常識を疑わなければならない理由を解説しています。

日本はこれから貧しくなっていく

戦後日本は奇跡の復興を遂げたと、世界の歴史書に書かれているわけですが、この復興のピークはバブル経済でした。

私はまさにバブル経済ド真ん中世代でして、もし大学に進学していたら、フツーに新卒でサラリーマンをして、今頃はバブル入社の使えないオッサンとして、窓際に座らされるか、肩たたきにあって、最悪の場合には追い出し部屋に入れられたかも知れません。

運良く大学に行かなかったため、サラリーマン以外の道を模索しなきゃならなくなって、紆余曲折を経てこんなビジネスで独立しちゃったわけです。

ですから私にとってバブル経済というのは、横目で眺めるだけで、何一つ美味しいことは無かったんですが、横目で見ていたからこそ、あの時の凄まじい狂気のエネルギーを実感できます。

このピークを過ぎて約30年になるんですが、これは今度は失われた30年って言われているわけで、ここからまたあのバブルのようなことが起こるのか?というと、もうそれは無いと思います。なぜならば少子高齢化で人口減少が確定していることと、政府の財政赤字が経済発展の足枷になることと、最後に既得権者たちが政府と結託して利権構造を手放さない体質が改まらない、という3点があるからです。

最後の既得権については、今年のコロナ禍に於ける日本医師会の振る舞いを見たら分かると思います。緊急事態宣言の本当の戦犯は、日本医師会で、彼ら民間病院がコロナ患者の引き受けを拒否し続けたから、ああなったんですよ。1億2,000万人も人がいる国でたったの3,000人の重症者で医療がパンクするって、一体どういうことですか?

彼ら医師会が利権団体として(医師会は農協と肩を並べる自民の票田です)、政治家と綱引きをしたわけです。その結果、日本中で営業自粛が強要され(日本語がおかしいですよね)、経済がズタボロにされたわけ。この手の話って、医師会に限らず、多くの利権団体で存在するんですよ。分かりやすい所では、消費税を10%に上げる時に、新聞が軽減税率の対象になったことも同じ構図です。

政府と利権団体がズブズブの関係で、そこで既得権を持つ団体が有利になるような政策が作られるため、真の資本主義社会で起こるようなイノベーションが起こりにくいんです。

日本で電動自転車やセグウェイが公道を走れないのは警察利権ですし、住基ネットやマイナンバーがグダグダで本当の意味でのデジタル化が進まないのは、IT利権と行政の縦割りが原因ですし、日本でGAFAみたいなのが育たなかったのは、リクルートとかライブドアみたいな会社を官民挙げて叩きつぶしたから(そうさせた利権団体がいるわけ)ですよ。

この構図を変えるには、日本の経済界からジイさんを追い出さなきゃダメなの。上場企業は、役員の半数近くを女性にしなければならないとか、上場企業の役員に年齢制限を課す(60歳以下に限るとかね)、同じことを政治家にもやらなきゃダメなの。日本はとにかくジイさんの権力が強すぎて、国家レベルの新しいことが機動的にできないようになっているんです。

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