必要以上に周囲の顔色をうかがってしまうことは決してマイナスではない

 

さらに悩ましいことがあります。例えば夫が前述したような「君臨者」として家庭の中で振る舞う時、妻はなんとか暴君の夫から子供を守ろうとして、なにくれと夫のご機嫌をとります。じゃないと、暴君の攻撃が子供に向けられるかもしれないからです。

でも、そうやって夫のご機嫌とりに夢中になればなるほど、子供のことが置き去りになり、子供の気持ちに寄り添えなくなるのです。なので、子供は幼心に「私のせいでお母さん可愛そう」という罪悪感だったり、「私は求められていない」といった孤独感を深く深く埋め込まれてしまい、子供も自尊心を傷つけられてしまうのです。

極端に言えば、もともと自分の抱えてしまった劣等感や挫折などを乗り越えることができず、これまで傷ついてきた自尊心をなんとか維持するために「家庭」という世間的に認められた居場所を作ることで「親」としての役割を演じ、それによって他者承認欲求を満たそうとしたわけです。

ですから、心の深い部分では「家族への信頼」みたいなものはなくて、ただただ自分の尊厳を維持するために「家庭」とか「親」という社会的に認められやすそうな規範価値を利用しているだけなのです。

傷ついた尊厳を維持することだけが目的ですから、例えばご近所付き合いでは、「近所の迷惑にならないこと」「近所から後ろ指を指されないようにすること」が大命題であって、「近所に溶け込み、近所の役に立つこと」などは二の次、三の次になります。結果、外面はいい割に、ご近所付き合いは一切しないような空洞な家族になるわけです。

そうした親の姿を幼い頃から見続け、かつ、教えも受けているので、どうしても対人不信や知人恐怖が刷り込まれてしまってて、必要以上に周囲の顔色を伺うとか、他者が自分を評価している、監視しているように感じちゃったりするんですよね~。

ただ、これって裏返せば「察知力」「観察力」が非常に高いということなわけで、むしろ、この力を強みとして認識し積極的に活かす方向に力を使うと人間関係がとても快適になります。というのも、世の中には「察知力」「観察力」が鈍い人もいるわけですから、そういう人たちにとっては、とても頼り甲斐のある存在になれるからですね。

そんなふうに、自分が持っている特性を「活かせる場所」「活かせる環境」を考えてみるのことは、「他人に振り回されずに自分軸(ありのままの自分)で生きるための自分を見つめ直す自分自身とのコミュニケーション」として、とっても大切なことだと思いますよ。

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