京大教授が激怒。子供たちを自殺へ導く日本政府のコロナ「ゼロリスク戦略」

 

では、何のために自粛を子供達に強要しているのかと言えば、大方の医師も同意する様に、子供同士の感染を防ぎ、子供が家庭に持って帰って大人、とりわけ高齢者に移してしまい、それを通してコロナ死者がでることを防ぐ為に、子供に学校教育の自粛を強要しているのです。

つまり、子供達の学校自粛を強要しているのは(自粛によって仮に多くの子供達が自殺する事態になったとしても)、感染を効率的に防ぎ、それを通してより多くの命が救うためにはしょうがないのだ、という論理に基づいているわけです。

しかし、当方はそんな論理には全く同意出来ません。そして恐らく多くの国民もそんな論理に納得できないのではないかと思います。

そもそも子供達が大人達の命を救うために、犠牲にならなければならない必然性など何もないからです。むしろ普通は、子供を守る為に大人が命をかけるくらいの話が当然なんじゃないのかと思います(例えば、『タイタニック』の沈没の時だって、誰を救命ボートに乗せるかという時に、大人よりも子供達を優先させたではないですか!)。

しかし、日本は今、大人、というよりも高齢者を助けるために、子供の学校を閉鎖しようという議論が、平然と繰り替えされています。これは少なくとも、タイタニック沈没時に観られたアメリカの倫理道徳では到底考えられない不道徳な判断を、政府や社会が率先してやっているようなものではないかと思います。

つまり、浅ましき大人達のエゴによって、子供が見殺しにされている側面が、厳然と存在しているのです……。

もう以上の話だけで、「高齢者の命を守るために子供の通学も自粛させるべきだ」という話が恐るべき不道徳であることが見て取れますが、話はここでは終わりません。

そもそも、昨年時点で子供の通学を自粛させるという話が起こった時、高齢者の命を守る事に繋がるということは、「多分そういう効果があるんじゃないか?」という至って曖昧な「イメージ」の話に過ぎなかったのであり、科学的な根拠など殆どないものだったからです。

というより、かなり初期の段階(昨年3月)で、子供が学校で感染を拡大させ、それを通して高齢者のコロナ死を拡大している、というストーリーを統計的に「否定」する見解が、学術論文の中で公表されていたのです。

School closure and management practices during coronavirus outbreaks including COVID-19: a rapid systematic review

そして、今の「新しいコロナ株」についても、例えば、コロナの危険性を煽る傾向の強い政府専門家会議の代表的な専門家である押谷教授(ウイルス学)ですら、つい先日の8月26日の報道で、「日本でも小児の感染者が他の年齢層に比べて顕著に増加したわけではない」と述べ、その上で休校について、「特に小学生以下の小児は二次感染を起こす割合も低く、地域の感染拡大への影響は限定的とみている」と言明しています。これは、上記の学術論文と同じ指摘です。

小児の感染増、全体の結果反映 デルタ株影響の明確なデータなく 東北大・押谷教授に聞く

こういう情報を基に考えれば、大人への感染を抑止するために子供の通学を自粛させるという話は、それによって自殺が増えている状況を踏まえれば、「子供を貢ぎ物としてガケから突き落とせば“龍神様”の怒りは収まり、飢饉が防げるんだ!」なんて言っている前近代の農山村の迷信のノリで、現代の子供達の命が奪われていったようなものではないかと、思えてきます。

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