自らを顧みず海で溺れかけている村人を助ける
ある時に、海の岩場に取り残されて身動きが取れなくなっている村人がいた。森川巡査は、自らを顧みず危険な海に入り負傷しながらも村人を救助。こういった自己犠牲の精神は村人達の尊敬される要因になった。
責任を感じ自決した巡査
台湾総督府が村に漁民税を制定した際に、役所に減税を求めるも聞き入れられず叱責を受けたのだが、村人の要望に応える事が出来なかった事に責任を感じ、巡査は拳銃を使い自決。後に巡査を尊敬していた村人達により富安宮が建設され、巡査は土地神として祀られる。
巡査の死後、1923年に副瀬村や近隣にコレラ脳炎などの伝染病が流行。当時の村長の夢に巡査が現れ、「環境衛生に心がけ、飲食に注意し、生水、生ものを口にせぬこと」ということを告げた。村長がその内容を村民に伝え、村民がこれを守ったところ、伝染病の流行を免れることができた。
日本統治時代に開園した嘉義公園
富安宮と併せて訪れていただきたいのは、嘉義市内にある日本統治時代1911(明治44)年に開園した嘉義公園である。公園内に嘉義神社が置かれたのですが、今も当時の社務所や灯篭、手水舎が残っている。社務所は嘉義史跡資料館になっており、貴重な資料が展示されている。
公園内には射日塔と呼ばれる12階建てのビルが公園内にあるが、展望台から嘉義市内の景色を見る事が出来るので展望台にのぼってみるとよい。公園の敷地は広大なので、脱水症状にならないようにお水を持参することをお薦めである。
映画「KANO」の関連地としても知られる嘉義
嘉義県は、2014年の台湾映画『KANO』の舞台としても有名。『KANO』は、日本統治時代に嘉義市に実在した嘉義農林学校野球部が昭和6(1931)年の日本の甲子園大会で準優勝を遂げた実話を元に製作された映画である。せっかくなので映画『KANO』の関連地も併せて訪れるとよいだろう。
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