円熟した技術のその先
話が長くなりましたが、つまり何が言いたいかと言うと「メタバースが広まれば、必ずみんな着るものや見た目にこだわる」ようになるという事です。
当初は3Dの再現率や操作性、便利な新機能にみんなの目が向くでしょう。ちょうど黎明期の家電が「カラーかどうか」「脱水機がついてるかどうか」のように機能で戦う時代が最初は続きます。しかし、それがある程度落ち着くといつかは「どこを選んでも大して変わらない」というレベルに辿り着きます。
そんな技術が進歩して、実際の世界の体験とほとんど変わらない世界。そこに放り出された時にふと見渡せばみんなの着ている服は多分「エンジニアが知っているどこかのデザイナーが作った服」です。そんなに悪くもないけど取り立てて欲しいわけではない「無料の服」。そんな中にもしブランド物の服を着ている人がいたら?有名なバックを持っている人がいたら?その人たちがどのくらい注目を浴びるかは火を見るより明らかです。
知らない人とは知り合えない
古い漫画で恐縮ですが昔「動物のお医者さん」という漫画がありました。その中の何気ないセリフがとても真実を突いていて、私は折に触れていつもそれを引用しています。
その漫画には漆原教授というとても変わり者の先生がいて、主人公はその先生の紹介でいろんな動物病院に修行に行きます。しかし先生が変わっているので紹介された獣医さんもやはり変わった人で主人公たちが苦しめられます。そこで主人公は思わずこう叫ぶのです。「先生の知らない人を紹介してください!」それに先生は答えていいます。「知らない人は紹介できん!」
これはものすごく真理を突いています。そう「知らない人は紹介できない」のです。先ほどのメタバースでブランドの服を作れる人はつまりこう言う人です。「ITに精通してて権利や著作権に強く、そしてファッションやアパレルに強いコネを持っていてビジネスビルディングができる人」です。
お友達でもし思いつく人がいたならラッキー、ぜひ新しいメタバースのアパレルを考えてください。しかし大抵の場合、エンジニアとそのようなアパレルビジネスの人々は遠い距離にいることがほとんどです。
Webの世界も最初はエンジニアだらけでした。それが一般化するにつれ違う仕事から転職してくる人が増え、やがてそれが「映像の専門家」や「ファッションの専門家」と融合し始めて新しいベンチャーが生まれ始めました。
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