年金の受給額が減り続ける?なぜ給付額は毎年変動してしまうのか

 

どうしてかというと、年金受給者を支えてるのは現役世代の保険料ですよね。つまり、働いてる人の賃金の一部である保険料を年金受給者に回しています。

賃金が5%上がれば保険料も5%上がるので、年金財源である保険料が上がるなら年金受給も5%アップする事になります。支え手の力と支えられる側の力が自動的に均衡するわけです。

こうすれば財源としては問題ない。しかし、現役世代の力である賃金の伸び以上に、年金をアップさせてしまうと現役世代の負担の力を超えてしまうので無理をして支払わなければいけなくなる。

なので65歳以上の人は原則としては物価に合わせるけども、賃金変動率を超えたら賃金の伸びに抑えるねという事を細々とやっています。

いろいろルールはありますが賃金と物価の伸びを考えた時に、どっちが年金財政にとって都合がいいかを考えるとわかりやすいと思います。

さて、令和4年度は賃金(名目手取り賃金変動率)が0.4%下がったから、年金は0.4%(0.996)下がる事になりました。

このように毎年、経済の伸びに影響して年金額は毎年変わるのであります(変わらない時もある)。

バブル崩壊までは物価が5%以上上がるとか賃金が10%上がるというのは普通に見られた現象でしたが、平成からはほとんど物価も賃金も停滞するようになりました。

だから年金もあまり伸びる事は無くなりました。年金が上がるかどうかというのは制度や構造の問題ではなく、国の経済成長の問題です。

年金を抜本的に改革するべき!みたいな声が昔からよくありますが、どんな形に変えても国の経済が良くならなければどうにもならない(抜本的な改革は何度もやってきてはいる)。

print
いま読まれてます

  • 年金の受給額が減り続ける?なぜ給付額は毎年変動してしまうのか
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け