プーチン率いる巨大なロシアが勝てぬ訳。信長や江戸幕府にさも似たり

2022.04.01
by kousei_saho
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侵攻開始時には、多くの国や情報機関が数日以内でウクライナを落とすと見ていたロシア。しかし5週間以上た経った今も、プーチン大統領の「野望」は果たせずにいるのが現実です。何が独裁者の計算を狂わせたのでしょうか。今回のメルマガ『パリ大学博士・世川祐多のフランスよもやま話』では歴史学者で日仏交流に情熱を注ぐ世川祐多さんが、ワンマンなプーチン大統領を織田信長に、そして巨大な力を持ちながらウクライナを攻めあぐねるロシアを薩長に倒された江戸幕府になぞらえ、「戦」の難しさについて考察。その上で、ロシアに対しては早期の撤退を求めています。

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戦の難しさ、デカけりゃ良いものでもない

戦というのは、遠い過去の話だと、人の憧れを惹きつけたりする不思議なものだ。

日本でも戦国時代マニアや武将好きは多いし、フランスにもナポレオン大好き人間は多い。日本人でもナポレオン党は多いであろう。

こうして、戦は人々のロマンを掻き立ててしまう歴史上のものにもなりうるが、ロシアの侵略戦争を同時進行で見ていると、気分のいいものではない。

しかし、裸の王様というのは、本当にある話なのだということ、そしてデカけりゃ勝てるものではないということをつくづく感じさせられるこの頃である。

信長は最強最大の天下人になったが、おそらく信長に意見できる家来はいなかっただろうし、それが足元を掬われる原因にもなった。徳川幕府も大きさで言えば、薩長の比ではないほど大きい。だからこそ、後から何を言っても無駄であるし歴史は変えられないが、いまだに、「信長があそこまでワンマンじゃなければ…」、「慶喜が大坂城から徹底抗戦に出ていれば勝てた」などと唱える人も多い。

ロシアの軍勢は強大なのに、数日でウクライナを陥とすかと思えばまだ落ちない。同時代に生きていないからイメージが湧かないが、ベトナム戦争当時圧倒的に最新鋭かつ兵力も強大なアメリカ軍は遂にベトナムを陥せなかった。

戦というのは、実に難しいものなのだろう。

引き際も難しいであろうが、それなりのところでロシアが引いて、早く今の戦争が過去のものとなるように。

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image by: Free Wind 2014 / Shutterstock.com

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