プーチン再選のために虐殺されたウクライナ市民の「軽すぎる命」

 

あの、まあ、それが今の現状だと思うのですが、きょうこの番組でお話ししたいと思っていましたのは、むしろその、虐殺そのものの話です。特に言いもしませんでしたけれど、ロシア軍が特定の町なりを占拠する、砲撃とかミサイルによる破壊の末に町を支配する、町からウクライナ軍を一掃してしまった場所に関しては、おそらく何らかのこういうことが起こるだろうなというのは十分想像できました。

というのは、軍隊が他国を支配する局面が訪れた場合には、しばしばそういうことが起こってきた。守っていた軍隊がいなくなって、他国の軍隊がそこに入ってくるということになった場合には、しばしば歴史上、そのようなことが起こってきているので。これはあり得ることだなと。

しかし、その想像をも超える凄まじさですね。いくつかの町でまだ数も分からないほど、おそらくは数百から数千というレベルになっていくのではないでしょうか。とにかくたくさんの町をロシア軍は包囲して支配してきていますからね。その場所で、「虐殺」が起きている。偶々出くわして兵隊と間違えて撃ってしまったとか、あるいは砲弾が住居に当たって…というケースもたくさんあるとは思いますけれど、そういうことではなくて、住民を追い出して、その家を使ったりしているわけですけれども、その住民を何らかの意図を持って、まさに戦争目的に合致した「虐殺」が起こっている。

これは、凄まじい話で、つまりウクライナ政府に近い人物とか、行政機構の末端とか、そのような人を特定して…どうもロシア軍はその種の情報を持っているみたいですね。で、拷問もしているようですね。拷問して、つまりウクライナ政府の意図に従って町をまとめているのは誰と誰なのかということで、それを拷問でしゃべらせ、殺害するということがあったみたいですし、あるいは、遺体を路上に残しているのは、これはもう恐怖心を煽る見せしめ的な効果を狙ったのではないかと思います。

そのようなことを含めて色んな理由で、偶然でも何でもなく、計画的に殺害をしているということだと思います。だからこそ、非常に多くの地域で殺害された住民の遺体が発見されてきている。これは、あれだけの規模の軍事侵攻を続けていることを考えると、むしろあっても不思議ではないと逆に思ってしまうくらいです。

大事なことは、そのような虐殺が「プーチンの戦争」、プーチンにとっての戦争目的と十分合致した、それにかなう行動だということです。これも何かのことに申し上げたと思いますけれど、元々ロシア軍は無差別と思えるくらい、住民の家でも何でも建物を破壊するということをやり、住宅地の砲撃もやっていたわけですね。町中、例えばマリウポリなどは90%の建物が破壊されたというくらい、破壊し尽くす戦い方、いや、「戦い方」などと言うべきことなのかどうかも分かりませんけど、そういうことをしてきた訳なので、そこに人がいれば死ぬだろうね、と。これ、無差別の殺人そのものなので、そういうことをしてきたわけですけれど。

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