一線を越えてしまった日本。露からの「ミサイル飛来」の覚悟が必要なワケ

 

そして、私たちの日本も、その泥沼に引きずり込まれかねません。日本の首相は、のび太君のように英米ジャイアンが恐いので、彼らの言われるままに、あれこれウクライナに支援をしています。

人道的な援助物資を送るのなら結構なことですが、もし、結果的にウクライナ軍の「攻撃能力」を高めるような「武器に準ずる支援」をやってしまえば、これは危ない一線を越えることになります。なぜなら、ロシア側からみればそうした支援は「参戦」しているのと同じだからです。

たとえば、日本政府がウクライナに送った支援物資が、防弾チョッキやヘルメットである限り、これはぎりぎりでセーフです。ところが、これらを運んだ自衛隊機がKC-767という「空中給油機」であるということ、これは大問題です。空中給油機は、戦闘機や爆撃機などの「航続距離」を伸ばすためのものです。

これがウクライナ周辺のポーランドなどで活動することになれば、ウクライナ側の戦闘機は空中で給油を受けて航続距離を伸ばし、ロシアの心臓部まで攻撃することが可能になります。素人が考えても、これは単なる「防衛」の枠を越えており、「攻撃」に参加していることとなります。これは「アウト」です。ロシアは当然、怒っています。それも、かなり。完全にこれは「クマ踏んじゃった」状態なのです。

そんなわけですから、いつ何時、北からミサイルが飛んでくるか分からないので、私はそれなりの覚悟をもって毎日を過ごしたいと思っています。

それにしても、あれだけ「平和」を叫び、プーチンに対して拳を上げている人たち、取り分け野党の国会議員が、日本からの「支援」の内容に異議を唱えなかったのが不思議でなりません。金科玉条の如く崇め祭っていた「専守防衛」はどこへ行ってしまったのでしょう。

もちろん、米国とは同盟関係にあるわけですから、「旗色鮮明」にして、歩調を合わせるのは当然かもしれません。これまでアメリカが引き起こした数々の戦争のことはケロッと忘れて、「戦争を始めたのはロシアだから、ロシアが悪い」と非難するのも結構です。友人を庇うためには「ダブルスタンダード」も仕方ありません。

しかし、具体的にどういう形で支援するか、どこまで制裁に加わるかは、当然、日本政府が決めるべきことです。それが独立国家の外交というものではないでしょうか。

ところが、今回、政府は越えてはならない一線を越えてしまいました。あれだけプーチン大統領の「精神状態」に関する疑念を書き立てていた(ほとんど狂人扱いだった)にもかかわらず、日本の言論界は心の底で、ロシア政府やプーチン大統領の「良識」を信頼しているとでも言うのでしょうか。

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