レジ袋有料化も意味無し?空気中にも漂うマイクロプラスチックの恐怖

 

…そんなわけで、最初の2018年9月の「市販のミネラルウォーターの93%にマイクロプラスチックが混入」との報告を受け、翌2019年8月、WHO(世界保健機関)は「水道水とペットボトル入りミネラルウォーターに含まれるマイクロプラスチックは、現状、人体に影響を与えることはない」という耳を疑うような公式見解をリリースした。だけど、このトンデモ見解の裏側には、日本でもお馴染みの世界最大手のミネラルウォーターのメーカーから、厳しい突き上げがあったと言われている。

そのため、WHOもメーカーの手前、一応は「人体に影響を与えることはない」とは言ったものの、その後に「ただし、この見解は限られた情報からの判断であり、引き続き多くの調査が必要だ」と付け加えた。でも、いくらサジェスチョンを補足したとは言え、天下のWHOが、最大でペットボトル1本に1万個超ものマイクロプラスチックが混じっているミネラルウォーターを「人体に影響を与えることはない」と断言したのは、あまりにも軽率&無責任だ。

それに、この3年前の2016年、EFSA(欧州食品安全機関)が行なった調査では、飲料や食品などに含有されていたことで人間が摂取してしまったマイクロプラスチックは、数日から数週間で約90%が体外に排出されるが、約10%は体内に蓄積されると報告されている。その上、体内に蓄積されたうちの何割かは血液にも混入しているが、人体にどのような影響があるか、現時点では分かっていないとも報告されている。

血液に混入したマイクロプラスチックが、もしも排出されずに蓄積され続けるのだとしたら、いくら顕微鏡でなきゃ見えないほど小さな粒子だとしても、いつかは血管が詰まって動脈瘤になるかもしれないし、脳の血管が詰まって脳に障害が起こるかもしれない。もしかすると、すでに世界で発症した動脈瘤や脳障害の何パーセントかは、このマイクロプラスチックが原因かもしれない。何しろ、発見から20年近くも過ぎたマイクロプラスチックなのに、その調査と研究は遅々として進んでおらず、未だに「人体への影響は不明」のままなのだ。

そして、ハッキリ言うと、あたしたち現代人がマイクロプラスチックから逃れる術はない。何故なら、マイクロプラスチックは、海水や水道水やミネラルウォーターやビールやジュースや数々の食品に混入しているだけでなく、空気中にも浮遊しているからだ。

ミツバチは体毛や脚などに花粉を付けて運搬するけど、巣に戻ったミツバチを調べたところ、花粉と共に数多くのマイクロプラスチックが付着しており、飛行中に付着したことが分かったという。2021年4月、デンマークで行なわれたミツバチの追跡調査では、なんと1匹のミツバチから13種ものマイクロプラスチックが検出されている。

そして、さらに空気中の浮遊を証明したのが、今年2022年4月、つい最近の話だけど、イギリスの研究チームの報告だ。この最新の報告によると、病院で肺の手術を受けた11人の患者の計13の肺の組織サンプルのうち、計11のサンプルから1ミクロンより小さいナノサイズのマイクロプラスチックが検出されたという。それぞれの患者の病名までは分からないけど、もしかしたら何人かはマイクロプラスチックが病気の原因だったかもしれない。

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