レジ袋有料化も意味無し?空気中にも漂うマイクロプラスチックの恐怖

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海洋生物に蓄積することで知られるマイクロプラスチックですが、我々人類も、日常生活を営んでいるだけで体内に取り込んでしまっている可能性が高いようです。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、飲料水や食塩、空気中にもマイクロプラスチックが存在する証拠を取り上げるとともに、WHOの「マイクロプラスチックは人体に影響なし」という不可解な公式見解を紹介。さらにその元となるプラスチックごみの減量には企業の取り組みが不可欠とし、具体例を上げつつ企業サイドに対して自主的な努力を強く求めています。

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恐怖のマイクロプラスチック

あたし的には「マジですかーーーー!!」ってレベルの大事件なのに、世の中的には何事もなかったかのようにスルーされ気味なのが、すでに今さら感もある「プラスチックごみ」による海洋汚染の問題だ。日本では3年前に当時の環境大臣だった小泉進次郎が「レジ袋有料化」を推進し、その後は「ストロー廃止」が声高に叫ばれるようになった。この辺の流れは、この問題に興味のない人も覚えてるだろう。

で、この問題がどうなったのかと言うと、この直後に新型コロナが始まったことで、もはや「プラスチックごみ」などどうでも良くなった。それどころか、スーパーの揚げ物コーナーや焼き鳥コーナーなど、自分の買いたいものをお客が自由にトングで取ってパック詰めするバイキング方式だった売場が、新型コロナ対策として、最初からコロッケが1個ずつ、焼き鳥が1本ずつ、個別の容器に入れられて売られるようになった。これは、プラスチックごみの大量増加の一端だ

そもそもの話、日本は毎年800万~850万トンのプラスチックごみを出し続けてるけど、このうちレジ袋が占める割合は全体の2%、ストローに至ってはわずか0.1%、両方を完全にゼロにできたとしても、プラスチックごみの総量は2.1%しか減らないのだ。これほどの「焼け石に水」の政策が他にあるだろうか?そして、日本のプラスチックごみの70%を占めるコンビニ弁当などの「容器類」は、何の規制もかけずに野放し状態だ。そのう上、新型コロナによって使い捨ての個別容器が大量増加したんだから、これじゃプラスチックごみなど増えこそすれ減るわけなどない。

結局のところ「レジ袋有料化」も「ストロー廃止」も、安倍政権が始めた「やってる感だけ政策」の一環だったというわけだ。そして、その後は新型コロナが始まったことで、世の中はプラスチックごみどころじゃなくなり、現在に至るというわけだ。ま、これはこれで大問題だけど、今回、あたしが言いたいのは、こうした政治的な問題じゃなくて、もっと根本的な「プラスチックごみ」の問題、とりわけ「マイクロプラスチック」の問題についてだ。

…そんなわけで、人類が製造し続け、廃棄し続けるプラスチックは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン、化学繊維など様々で、廃棄されたこれらのプラスチックが、肉眼で見えるか見えないかくらいまで小さくなったものがマイクロプラスチックだ。環境的な視点や科学的な視点などにより、直径5ミリ以下のものをマイクロプラスチックと呼ぶケース、直径1ミリ以下のものをマイクロプラスチックと呼ぶケースなどがあるけど、あたしが最も問題視しているのは、肉眼では見えないほど小さくなったナノレベルのマイクロプラスチックだ。

何故なら、プラスチックはどんなに小さくなっても自然に還ることはないので、原因を作った人類が責任を持って回収するしかない。でも、世界中の海水に混じっている肉眼では見えないマイクロプラスチックをすべて回収するなんて、福島第1原発で増え続ける殺人レベルの高濃度放射能汚染水を欠陥アルプスで完全に無毒化するような話で、正直、逆立ちしたって不可能だ。それに、マイクロプラスチックがあるのは海の中だけじゃない。海流に乗って世界中へと拡散し続けるマイクロプラスチックは、水蒸気と一緒に蒸発し、雨に混じって世界中の野山や田畑、水源地などへ降りそそいでいる。

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