世界中から大不評。日本流の謝罪があまりにも“気持ち悪い”ワケ

Bowing asian business person.
 

以前、私も日本のサイトで映画を見ようと課金したときに、間違って同じ映画を選択してしまいその旨、動画サイトに質問を送ったことがあった。

「間違えてレンタルした映画を重複してしまった場合は、返金はできますか?」という質問に対して、すぐさま返信があったのは嬉しかったのだが、気持ち悪さを感じた。

まずはズラリと書かれた「感謝文」。

「平素より弊社に格別のご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます」これに始まり、

「このたびは弊社製品の件でご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした」と詫びが入り、

「ご本人様の操作ミスによる課金生じた場合、保証の対象外となります。大変恐れ入りますが、返金はできかねます。何卒ご理解いただきますようお願いいたします」と、私の質問への「回答」が書かれ、

「この度いただきましたご指摘をもとに、商品説明書の記載をよりわかりやすく改める等、社内で検討していきたいと存じます」と、私を咎めることもせず、

「弊社は今後ともお客様にご満足いただける製品をお届けするべく、全力を尽くしてまいります。お客様には誠にお手数ではございますが、引き続きご理解ご協力を賜りますよう改めてお願い申し上げます」という締めくくりのメールが届いた。

なんとも丁寧すぎるというか、日本っぽい対応。気持ち悪すぎると感じるのは私だけだろうか?

多分、私が気持ちよくなかったのには原因がある。

このような「例文」やテンプレートというものは、ネットにゴロゴロと転がっていて「対応の仕方」なるサイトでは、「自社に落ち度がない場合のクレーム対応例文」など多数掲載されているからだ。

私が受け取った動画サイトからのメールも、テンプレートを使ったものと思われるほど酷似している。こういう文書「書き方手順」の重要ポイントまでも、ネットを探すと出てきた。

手順1:挨拶
手順2:謝罪
手順3:クレームの原因を説明
手順4:対応できないことを伝える
手順5:結びの言葉

まさに、このまんま。これらの手順を踏めば「用意されたもの」を少し弄るだけで出来上がる。

今回の場合、私の操作ミスで起きたこと、それに対して返金ができるかどうか?を尋ねただけの質問メールだったにも関わらず、丁寧すぎるほどのお決まりのテンプレレートを使った「見事な解答」を貰ったからこそ、気持ち悪く感じたのだ。

貰ったメールにいちゃもん付けるわけではないが、「客の満足」を得るのなら、むしろ「自分の言葉」を使った何か一文があってもいいのではないか?と私は思った。

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