プーチンも驚愕?欧州が中国と描く「ウクライナ停戦」の仰天プラン

 

ここではまじめにウクライナの後ろ盾をする日米は置いてきぼりになります。欧州は中国と共に条件を提示しますが、その内容はどうなるでしょうか。

【ロシアによるクリミア半島の実効支配はそのままにして認め、ドンバス地方の帰属については継続審議対象とする】

【プーチン大統領・ゼレンスキー大統領ともに大統領を辞任する。プーチン大統領については、辞任はしても逮捕対象にはしないことで身の安全を一応保障する】

【ずたずたになったウクライナの戦後復興は中・欧で仕切るが、日本とアメリカもうまく巻き込んで、負担をシェアする】

【突然のように最近湧いてきて、かつ異例のスピードで加盟申請の話が進むスウェーデンとフィンランドが、トルコによる頑なな反対と揺さぶりを理由に「このような非常時にNATOの結束を乱すわけにはいかない」とでも言って、NATO加盟申請を取り下げ、プーチン大統領に配慮したかのように見せかけ、停戦交渉のテーブルに就かせる】

【中国は仲裁者としての功績をアピールし、ウクライナの戦後復興で濡れ手に粟】

【欧州は、ロシアと微妙な仲直りをすることで、エネルギー安全保障を回復し、危機を乗り越えたとアピール】

【中国と欧州各国との確執も、一旦棚上げにし、それぞれの経済安全保障の回復と確保に動く】

といったシナリオはいかがでしょうか?

「ただの妄想」と思われるかもしれませんが、少しでも「ちょっと待てよ…もしかして」とお感じになったなら、このまま一緒に想像してみてください。

この場合、一見、日米は出し抜かれてしまうように見えますが、実は負けてはいません。

日本については、賛否両論ありますが、国際安全保障問題でこれまでにないほど踏み込んだ対応をすることで、G7内での信用度は上がったと思われます。そして、ウクライナの戦後復興に関わり、かつロシアの経済的なスランプに対しても手を差し伸べることで、対ロ関係で強い立場に立つことが出来るかもしれません。

アメリカについていえば、11月の中間選挙を控えるバイデン大統領と民主党にとっては逆風が国内で吹きかねませんが、ウクライナ戦争への積極関与を通じて、米国産の武器弾薬がたくさん供与され、実戦を通じて大規模な武器見本市を実施することで軍需産業および関連のセクターに大きな利益をもたらすことになり、必ずしも出し抜かれて損をしたとはいえないかもしれません。

では、ゼレンスキー大統領はどうでしょうか?こちらもまた安泰でしょう。支持率が一桁にまで沈んでいた惨状から、

【強大な敵と不条理に対してひるまずに戦う戦時大統領】

【家族と離れ離れになってもウクライナのために命を賭して戦ったリーダー】

【被害にあう国民の惨状に涙する優しいリーダー】…

彼のリーダーとしての今後は、しばらくは保証されると思われます。

今回の案件でロシアとウクライナの仲裁役を買って出ることで外交的な得点稼ぎを狙ったトルコも、仲裁役のお株は奪われてしまいますが、NATOをめぐるやり取り“劇場”を通じて、ウクライナ問題とは直接的に関係がないクルド人問題を提起・主張するチャンスを得ると同時に、しっかりと第3極として国際情勢におけるメインプレーヤーグループに立ち位置を確保することに繋がります。

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