プーチンも驚愕?欧州が中国と描く「ウクライナ停戦」の仰天プラン

 

そして今、ロシアとウクライナの間で行われている戦いを描写する様々な情報を前に、ユーゴスラビア内戦の際と同じ企てが進行しているように感じてしまいます。

しつこいくらい繰り返しますが、私はプーチン大統領およびロシア軍がウクライナに侵攻し、民間人に対する蛮行を働くことに対して全くシンパシーを感じません。

しかし、「悪いロシアが一方的に罪なきウクライナの権利を蹂躙した」という描写にはとても大きな違和感を抱きます。そして、そのイメージづくりの片棒を担ぐ欧米諸国の方針と戦略が全く変わっていないことにも大きな疑問を抱きます。残念ながら、これまでは見事なまでに策が奏功していますが。

ただ、ここ最近になって、少しずつボロが出始め、欧米諸国のゼレンスキー大統領およびウクライナ離れが加速し始めています。

旧ユーゴスラビアでの内戦・分裂時の悲劇のヒロインであったクロアチアと、今回の悲劇のヒロインであるウクライナとの違いは、どこまでそれを演じきれるかというところでしょう。

クロアチアはセルビアに劣らないレベルの蛮行を行ったにも関わらず、従順に欧米、特に英国が描いたイメージ戦略に沿った言動をし、見事にセルビア共和国のミロシェビッチ大統領を極悪人に仕上げました。

それに対し、ウクライナ政府とゼレンスキー大統領は、過信なのか、自らの失敗を覆い隠すための言行なのかは知りませんが、最近になって、味方であるはずの欧米諸国およびNATOに対して不満を述べ、「くれくれ」要求を繰り返す中、少しずつサポーターを失い、馬脚を露していることに気づいていないようです。

欧米諸国はそれでもまだ、自国の利害に沿ってロシア叩きに興じていますが、その行動を支える理由が、ウクライナへのシンパシーから、プーチン大統領および強国ロシアを排除した後の新国際秩序の構築と、自国の利益拡大の機会最大化に変わってきているようです。

ウクライナの“友人”であるはずの欧米諸国もそれぞれに思惑があり、決して一枚岩でないことは皆さんもお気づきの通りです。

では大きな違いと、水面下で進む大きな企みはどのようなものでしょうか?あくまでも“推論”という形でお話ししたいと思います。

ここでのプレイヤーは、ロシア、欧州各国、NATO加盟を目論むスウェーデンとフィンランド、中国、日本と米国です。

ポイントは、

【不気味に沈黙する中国政府】

【脱ロシアにかかる時間に対して、自らの経済安全保障を守るのに必要な時間が長くなることに気づいている欧州各国】

【そしてロシア・ウクライナと地続きで存在する欧州と、紛争の炎の飛び火を恐れる欧州】

【これまでの安全保障方針を転換し、NATO加盟を急ぐスウェーデンとフィンランの思惑】

【ロシアを警戒しつつも、ロシアを取り込んだほうが利益が大きいことを確信している中国】

【ウクライナに大きな利害を有しないが、アメリカと歩みを共にすることで安心を得ようとする日本】

そして

【国内情勢の都合上、ウクライナへの支援と、中国の台湾への野心を強調することで、支持率回復を狙うアメリカのバイデン政権】

という複雑なコンビネーションです。

さてその“推論”とはどのような内容でしょうか。

あくまでも推論ですが、お付き合いくださいね。

【中国の習近平国家主席ルートを通じてプーチン大統領にコンタクトし、中国と欧州諸国とウクライナで停戦協議を行なう】

というのが一案です。

国際情勢の裏側、即使えるプロの交渉術、Q&Aなど記事で紹介した以外の内容もたっぷりの島田久仁彦さんメルマガの無料お試し読みはコチラ

 

print
いま読まれてます

  • プーチンも驚愕?欧州が中国と描く「ウクライナ停戦」の仰天プラン
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け