日本より先にバイデンが来た。歓喜の韓国に米報道官が発した言葉

 

李氏は、韓国の調査船が5月29、30日と独島(日本名 竹島)周辺で海洋調査を実施したことに日本が抗議したことについて、「独島は、歴史的、地理的、国際法的に明白な我が固有の領土」と強調。「国連海洋法条約など国際法と国内法令に基づいて行われた正当な活動に対する日本側のいかなる問題提起も受け入れられない」との立場を示した。

また、外務省は6月3日、日米韓局長級協議を韓国・ソウルで実施したと発表した。外務省の船越健裕アジア大洋州局長、米国務省のソン・キム北朝鮮担当特別代表、韓国外務省の金健(キム・ゴン)朝鮮半島平和交渉本部長が出席し、北朝鮮が5月25日に弾道ミサイルを発射したことを「強く非難」した。3氏の協議では、北朝鮮によるミサイル発射の背景が、バイデン米大統領が日韓両国を訪問し、日米豪印の協力枠組み「クアッド」首脳会合が東京都内で開催された直後だったことを重視した。北朝鮮が核・ミサイル開発を強化していることついて「国際社会に対する明白かつ深刻な挑戦だ」との認識を重ねて共有した。

最後に南北関係である。この協議を牽制するかのように、6月5日、韓国の合同参謀部の発表によると、北朝鮮は平壌の順安など4か所から朝鮮半島東の日本海上に短距離弾道ミサイル(SRBM)8発を発射したと明らかにした。8発をほぼ一度に発射するのは事実上初めてで、韓国や日本、在日米軍など複数のターゲットへの攻撃能力の誇示とみられる。米韓のミサイル防衛網の無力化を図るとともに、米韓共同訓練に対する反発の意味合いもあるとみられる。

北朝鮮は、6月上旬に開催予定の朝鮮労働党中央委員会第8期第5回総会で、南北関係と外交問題を取り上げる可能性が高い。今回、北朝鮮の発表内容を注視する必要がある。

さて、その北朝鮮は、5月に入りこれまで世界でパンデミックになっている新型コロナウイルス感染症について初めて感染者がいることを公表した。韓国は早い段階で北朝鮮への医療支援を打診したが、北朝鮮からは無視され相手にされていない。北朝鮮は飛行機を飛ばし、中国に医療品を取りに行くなど秘密裏に動いていた。

一連のミサイル発射は、新型コロナ感染者が爆発的に発生し、4月の大規模パレードが原因であることを国内外に払拭するためであるとも推測は十分に可能である。

ロシアのウクライナ侵攻が長期戦になる中で、北朝鮮による武器提供なども関わってくるかもしれない。まだ、北朝鮮は尹錫悦大統領を名指しでこそ批判はしていなが、それも時間の問題であろう。

尹錫悦大統領発足前後から始まった厳しい外交関係は、北朝鮮の変数によって大きく揺さぶられることは明らかであろう。

(宮塚コリア研究所副代表・國學院大學栃木短期大學兼任講師 宮塚寿美子)

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